第34回定時総会 2002年7月11日~12日(宣言)

総会宣言

私たちは、7月11・12の2日間、「生かそう同友会理念を!人づくり、企業づくり、地域づくりに」のスローガンを掲げ、第34回定時総会を名古屋で開催しました。全国から集まった1500名の参加者は、20の分科会での深い学びあいと熱心な論議を通じて、同友会理念を柱にすえてこそ、混迷の時代を切り拓く確かな道であることにさらに確信を深めました。

今、日本経済は企業倒産・廃業の激増、失業者の増大、金融不安の高まりなど危機的局面を迎え、中小企業経営はかつてない厳しい状況に直面しています。政府が進める「構造改革」政策、不良債権早期処理は、結果としてデフレを加速させ、景気回復を遅らせているといわざるをえません。このままでは日本経済の再生は遠のくばかりです。私たちは、地域や顧客の信頼を得るため、自らの経営姿勢をただし、労使一体となって経営を守る努力を続けていきます。同時に、中小企業をとりまく経営環境改善のために積極的に提言し行動していきます。

私たちは、本総会において本年度の活動方針の重点課題として、特に次の点を確認しました。

第一に、時代転換の荒波に負けない強い体質の企業づくりをめざす活動を強化することです。
そのためには、

  1. 環境変化に対応した質の高い学びの場を設定し、経営の本質的な論議を通じて経営戦略の再構築を行い、全会員が経営指針を持ち、活力に満ちた企業づくりをめざします。
  2. 会の内外でネットワークづくりを展開し、新たな市場創造に挑戦します。
  3. 共に育ちあう社風を育み、同友会における人材育成活動をさらに強化します。

第二に、中小企業と国民生活、地域を豊かにする経営環境改善活動の前進をはかることです。

  1. 中小企業と地域金融機関との共存共栄をめざす「金融アセスメント法」制定に向けた運動を強化し、地域金融機関から預金流失を加速させるペイオフ全面解禁の延期を要望します。
  2. 不況下にあえぐ中小企業の担税能力を超える外形標準課税の導入には絶対反対します。
  3. 不要不急の予算を削減し、国民生活と中小企業がうるおい、景気回復に役立つ方向での財政支出の大幅な見直しを望みます。

以上の重点課題を実現していくためにも、同友会組織の充実と発展が切望されます。すべての同友会および支部、地区が組織を強化、拡大する計画を持って、常に会員増強活動を行い、2010年5万名会員達成に向けて力強く前進しましょう。閉そく感の強まる時代だからこそ、多くの企業家が頼れる組織を求めています。私たちは、一人ひとりの経営者の悩みに真剣に耳を傾け、同友会理念の普遍性と先進性を学びつつ、高い志(こころざし)で企業経営と同友会運動の発展に努力することを誓い、本総会の宣言とします。

総会宣言 2002年7月12日
中小企業家同友会全国協議会第34回定時総会