第37回定時総会 2005年7月7日~8日(宣言)

総会宣言

私たちは、7月7日、8日の2日間、「日本経済の真の担い手―中小企業の役割を自覚し、同友会運動の発展で、新しい時代を切り拓こう!」のスローガンを掲げ、第37回定時総会を千葉・幕張で開催しました。全国から参加した1500名の代議員は、18の分科会で真剣に学びあい、連帯を深め、同友会運動の新たな発展をめざす決意を固めました。

本総会は、本年5月に誕生した、秋田同友会の仲間を迎え、全国47都道府県のすべてに同友会が設立されるという歴史的到達点に立つ意義ある総会となりました。この成果は、1957年、日本中小企業家同友会(現東京同友会)が創立されてから48年、半世紀に及ぶ会員の皆さんのたゆまぬ努力のたまものであります。私たちは、この喜びを全国の仲間と分かち合うとともに、新たな前進の契機とすることを誓い合うものであります。

中小企業を取り巻く経営環境は、昨年後半から、ゆるやかな景気の後退が続き、原料資材の高騰、消費購買力の低迷ときびしさは依然として変わりません。金融面では、信用保証制度の縮小、政府系中小企業金融機関の統廃合を政府は進めようとしており、私たちは、中小企業家の声をさらに強めていかねばなりません。地域金融の円滑化を保障する「金融アセスメント法」の実現を求める地方議会からの国への意見書決議は950議会に達しました。私たちは、この運動で培われた地域金融機関との信頼関係をさらに深めながら、世論の支持をいっそう高めていこうではありませんか。

いまや、中小企業が自らの力で経営環境を変え、地域を変えることが可能な時代になりつつあります。私たちが提唱する「中小企業憲章」は、中小企業・自営業を国の政策の中軸にすえることで、日本経済の健全な発展と豊かな国民生活を確立していく壮大な運動であります。中同協は、昨年来、学習運動を提起し、着実な前進をはかってきました。学習運動を進める上で、まず、大切なことは、自社の存在意義を改めて問い直し、成長・発展を阻害する要因を業界、地域の分析によって明確にし、労使が現状と「憲章」がめざす方向についての認識の共有化をはかることにあります。「憲章」の地域版である「中小企業振興基本条例」の制定、見直しを併行して進めることもいっそう重要になってきています。各同友会では、“豊かな地域づくり”の視点から、自治体、金融機関、教育機関、諸団体との連携を積極的に進めて参りましょう。

2010年5万名会員を実現する課題は各同友会が目標を明確にすることで、相互に励ましあい、協力する関係が強まってきました。会員の計画的増強は、地域の雇用を守り、地域経済発展の使命感を共有できる企業家を仲間に迎え入れる地域づくり運動でもあります。私たちは、学びあう活動をいっそう強化し、強じんな体質の企業づくりに励み、多くの仲間を会に迎え、会の内外に高まる同友会運動への期待に応え、力強く前進することを誓い、本総会の宣言とします。

2005年7月8日
中小企業家同友会全国協議会 第37回定時総会