第43回定時総会 2011年7月5日~6日(宣言)

総会宣言(全文)

 中小企業憲章が閣議決定されてから一年。早くも中小企業の真価が試される時がやってまいりました。
 幾多の尊い命と日常の暮らしを押し潰し、さらに、史上最悪の原発事故をもたらした東日本大震災。全国からの熱い支援のもと、懸命に復旧・復興をめざす渦中で、私たちは北海道に集い、中小企業家同友会全国協議会第43回定時総会を開催しました。
 本総会は、「中小企業憲章制定一周年、中小企業家の総力を結集して、日本再生に挑もう」のスローガンの下、十五の分科会で活動方針を練り上げ、新たな決意を固める場となりました。
 私たちは、日本経済と地域の再生のために、中小企業憲章を復興計画の柱に据えた政策づくりを提唱し、中小企業を軸とした地域経済の再生に取り組むことを決意するものです。

 この決意を具体化していくために、私たちは本総会での論議を通してつぎの三点を確認し、内外に宣言します。

 第一に、私たちは、同友会での学びと実践に力を注ぎ、労使が一体となって強靭な企業づくりを進めます。

 第二に、私たちは、会員相互の連帯を強め、「一人で悩まない」「一社も潰さない」取り組みを広げ、すべての中小企業にとって頼りになる同友会をめざします。

  第三に、私たちは、東日本大震災からの復興に全力をあげて取り組みます。また、衰退の危機にある地域経済の活路を切り拓くために、中小企業憲章に基づく中小企業振興基本条例制定運動をすべての地域ですすめます。

 そのためには、同友会理念を学び、広げ、全国五万名会員の実現と、地域で対企業組織率10%以上の組織をめざそうと強く決意するところです。
 今回の震災では、原子力依存の怖さが現実化し、エネルギー政策の転換に取り組むことも求められています。私たちの手で中小企業の立場から展望する日本経済ビジョン、地域再生への展望をつくり、その実現を担うにふさわしい同友会運動を進め、行政や金融機関、教育機関、他団体とも連携して取り組み、すべての国民が幸せを実感できる社会を展望していきます。
 東日本大震災は日本の経済社会の大きな転換点となります。私たちは、改めて同友会理念への確信を深め、中小企業経営者であることの誇りと使命感を堅持し、”今こそ同友会”の気概を持って、日本経済の力強い未来を切り拓くことを誓い、本総会の宣言とします。

2011年7月6日
中小企業家同友会全国協議会第43回定時総会