調査・研究

中・企業景気も下・屈折、前途の不安定さ拭えず
DOR128号(2019年1〜3月期景況調査)速報

業況判断・水準・売上高・経常利益すべて悪化、前途の不安定さを拭えない

 業況判断・水準・売上高・経常利益すべて悪化、前途の不安定さを拭えない業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は7→3、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は7→5、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は0→△1、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は12→4と、すべて「悪化」「減少」であった。特に、製造業の業況判断DIでは、今期4を予測していたが、8→△4と大きく屈折した。これが、他の業種へ波及するか否かがポイントになろう。2019年の世界経済は、米中貿易戦争や中国経済の減速、日米貿易協議・自動車関税引き上げ懸念、英国ブレクジット(EU離脱)、欧州大陸の不況など波乱含みの展開になる。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が3→11、製造業が8→△4、流通・商業が5→△1、サービス業が12→13と、建設業が著しく好転し、製造業が著しく悪化した。地域経済圏別では、北海道・東北が△1→1、関東が8→7、北陸・中部が1→0、近畿が24→0、中国・四国が4→4、九州・沖縄が8→5と、近畿のみが二桁のマイナスであった。企業規模別では、20人未満で3→△1、20人以上50人未満で8→9、50人以上100人未満で5→△4、100人以上で24→6と、2年ぶりに20人未満と50人以上100人未満の2層でマイナス圏になった。
 次期(2019年4〜6月期)以降は、業況判断DIが3→6、売上高DIが5→6、経常利益DIが△1→6、業況水準DIが4→4と、「好転」「横ばい」で持ち直すと予想した。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が11→7、製造業が△4→4、流通・商業が△1→2、サービス業が13→13と、すべてがプラス圏と予想。しかし、次々期の見通しでは少し数値を落とすなど前途は不安定さを増している。

製造業は「仕入単価の上昇」や原材料値上げの声

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が45→43、特に製造業が57→56とやや下降したが高止まりした。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も15→14と下降し、仕入単価DI−売上・客単価DIの差は29→29となり、横ばいである。金融面では長短の借入難度DI(「困難」−「容易」割合)の安易化傾向は変わらず、資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)もプラス側(余裕有り)を維持しており、安定している。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は9→8とやや減少。臨時・パート・アルバイト数DIは9→3と減少した。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△4→△7と減少。また、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△48→△51と一層高まった。設備投資では設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△21→△19と若干高止まり感がでている。
 経営上の問題点では「従業員の不足」が42%→43%と、7期連続で1位となった。また、「人件費の増加」が33%→34%と2位につき、「仕入単価の上昇」が28%→28%で3期連続3位に上がったのが最近の定番。特に製造業では、「仕入単価の上昇」が39%→40%に上がってきた。
 経営上の力点では、「人材確保」(47%)が「社員教育」(46%)を抜いた。会員からは、「原料が14年ぶりの高値になり、価格は1.5〜1.7倍になり…今年2月から値上げしたことで利益も増えたが、まだまだ相場の上昇が続くと思われる(埼玉、製餡、菓子)」など原料値上げに対処の指摘も。

DORの中小企業製造業が悪化、景気が持続するか正念場に

 DORの中小企業製造業が悪化、景気が持続するか正念場に日銀短観は「大企業・製造業」がプラス12と7ポイント悪化した。2四半期ぶりの悪化で、悪化幅は12年12月以来6年3カ月ぶりの大きさ。DORでも、20業種別業況判断DI金属製品製造業は5→△15、機械器具製造業は24→1とそれまで好調の製造業が大きく下方屈折している。受注残も製造業で2→△14となり、同様の傾向である。景気が持続するか正念場に入っているのは間違いなく、国内経済は楽観できない状況が続きそうだ。

(2019年4月10日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2019年5月7日発行のDOR128号をご覧下さい

[調査要領]
調査時 2019年3月1〜15日
対象企業 中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,397社より872社の回答をえた(回答率36.4%)
(建設152社、製造業277社、流通・商業268社、サービス業167社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員42.64人
臨時・パート・アルバイトの数32.67人

PDF資料はこちら(PDF419KB)

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