調査・研究

景気、崖っぷちに向う動き示す
製造業と商業は悪化の一途
DOR129号(2019年4〜6月期景況調査)速報

業況判断・水準・売上高・経常利益がすべて水面下に沈む

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は3→△2、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は5→0、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△1→△5、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は4→△3と、ほぼすべてがマイナス圏入りした。前回、製造業の業況判断DIが△4と大きく屈折したが、今回は製造業と流通・商業が△7まで沈み込んだ。景気は崖っぷちに向うような動きを示している。世界経済は、米中貿易戦争や中国経済の減速、日米貿易協議など「いつ決着するのか解らない問題が世界で多すぎる」との声も聞こえてくる。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が11→2、製造業が△4→△7、流通・商業が△1→△7、サービス業が13→10と、製造業と流通・商業が悪化し、サービス業が堅調な業況だ。地域経済圏別では、北海道・東北が1→1、関東が7→△7、北陸・中部が0→△5、近畿が0→△3、中国・四国が4→12、九州・沖縄が5→△9と、中国・四国のみが上昇した。企業規模別では、20人未満で△1→△1、20人以上50人未満で9→△3、50人以上100人未満で△4→△14、100人以上で6→13と、100人以上以外すべてがマイナス圏になった。
 次期(2019年7〜9月期)以降は、業況判断DIが△2→△2、売上高DIが0→1、経常利益DIが△5→△3、業況水準DIが△3→△2と、「横ばい」で持ち直すと予想した。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が2→3、製造業が△7→△12、流通・商業が△7→△4、サービス業が10→10と、製造業がさらに落ち込む予想。特に、次々期の見通しでは流通・商業が△15と消費増税に強く反応したと見られる。

正規従業員数DI、臨時・パート・アルバイト数DI、所定外労働時間DIなど減少

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が43→43と、特に製造業が56→50と下降したが高止まりした。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も14→15と上昇し、仕入単価DI−売上・客単価DIの差は29→28となり、ほぼ横ばいである。金融面では長短の借入難度DI(「困難」−「容易」割合)の安易化傾向は変わらないが、資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)がプラス側(余裕有り)を維持しているものの、数字が小さくなっている(16→8)。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は8→5と減少。臨時・パート・アルバイト数DIは3→1と減少した。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△7→△15と減少。また、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△51→△43と弱まった。設備投資では設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も△19→△16と若干弱まった。
 経営上の問題点では「従業員の不足」が43%→38%と、8期連続で1位となったが、今期は減少ぎみ。また、「人件費の増加」が34%→35%と2位についた。久々に、「民間需要の停滞」が顕著な上昇をみせる。特に製造業では、「民間需要の停滞」が28%→35%に上がった。
 経営上の力点では、「新規受注(顧客)の確保」(53%)と「付加価値の増大」(50%)が双璧。会員からは、「労基法改正で物量で稼げなくなることがわかっている以上、自社の商品、サービスにいかに付加価値を認めて頂けるようにしていくか、その努力を続けない限り会社が存続できない(愛知、電設工事業)」など付加価値がある会社をめざす記述が目立った。

DORの製造業と商業が悪化、景気の正念場に

 日銀短観は「大企業・製造業」がプラス7と5ポイント悪化。景況感が2期連続悪化した。「中小企業・製造業」も△1と7ポイント悪化。DORでも、20業種別業況判断DIで金属製品製造業は△15→△18、機械器具製造業は1→△23と製造業が大きく後退している。受注残も製造業で△14→△20となり、同様の傾向である。製造業と商業を中心として、景気が正念場に入っているのは間違いなく、国内経済は楽観できない状況が続いている。

(2019年7月10日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2019年7月31日発行のDOR129号をご覧下さい

[調査要領]
調査時 2019年6月1〜15日
対象企業 中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,380社より942社の回答をえた(回答率39.6%)
(建設169社、製造業288社、流通・商業284社、サービス業192社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員39.92人
臨時・パート・アルバイトの数23.76人

PDF資料はこちら(PDF486KB)

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