調査・研究

消費増税不況とトランプ不況のダブルパンチで景気後退へ
DOR131号(2019年10〜12月期景況調査)速報

業況判断・売上高・経常利益は二桁のマイナスに下落!

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は△3→△13、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は△1→△10、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△4→△11、足元の景況を示す業況水準DI(「良 い」−「悪い」割合)は0→△3と、すべてがマイナス圏に落ち込み、業況水準を除き二桁のマイナス に下落した。消費増税に伴いマイナスの水準が変わったものと見られる。
 米中両国は貿易交渉で「第一段階の合意」に達した。だが今後の制裁関税削減や農産物の購入規模 などを巡り火種もくすぶる。また、トランプ不況や中国経済が減速したあおりで、日本企業の輸出や 生産が低迷した構図が鮮明になった。さらに、消費増税以降、本誌130号の予測以上のマイナスで、経営へのダブルパンチを食らう。日銀短観は4期連続悪化を示しており、景気後退の色を強めている。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が9→△4、製造業が△16→△25、流通・商業が1→△16、サ ービス業が5→1と、サービス業以外がマイナス圏で悪化した。地域経済圏別では、北海道・東北が1 →△11、関東が△8→△13、北陸・中部が△9→△17、近畿が△11→△35、中国・四国が11→2、九州・ 沖縄が△2→△6と、大都市圏の悪化が目立った。企業規模別では、20人未満で△2→△12、20人以上50人未満で△5→△16、50人以上100人未満で△7→△14、100人以上で0→△9と、ほぼ全企業規模で二桁のマイナス圏に下落した。
 次期(2020年1〜3月期)以降は、業況判断DIが△13→△11、売上高DIが△10→△7、経常利益DIが △11→△7、業況水準DIが△3→△11と予測。すべてがマイナス圏だが、業況水準以外は数値は水面下であるが上昇を予想。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が△4→△1、製造業が△25→△21、流 通・商業が△16→△12、サービス業が1→△2と、全業種がマイナス圏の予想である。

米中貿易摩擦問題では売上高が3分の1になる

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が36→37と、ほぼ横ばい。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も12→12と横ばいで推移し、仕入単価DI−売上・客単価DIの差も24→25で横ばいである。金融面では長短の借入難度DI(「困難」−「容易」割合)の安易化傾向は変わらず、資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)がプラス側(余裕有り)を維持している。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は6→4とやや減少し、臨時・パート・ア ルバイト数DIは0→2と少し増加した。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)は△16→△11とやや増加した。また、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△40→△44と再び不足感が強まった。設備投資では設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△19→△17と若干過剰感が強まった。
 経営上の問題点では「従業員の不足」が37%→37%と横ばいで、10期連続で1位となった。「人件 費の増加」が33%→35%で2位であった。久々に、「民間需要の停滞」が顕著な上昇をみせたが、特に製造業では、「民間需要の停滞」が39%→40%に高止まりした。
 会員からは、「米中貿易摩擦問題では仕事量が落ち込む。8月・9月の売上高は3分の1になった。9月以降は中国向けの製品以外のものに注力した(大阪、製缶・板金加工・産業用機械製造)」の声も聞かれ、全面的に営業活動を進める会社をめざす記述も目立った。

消費税率引き上げ以降、国内景気は一段と不透明になっている

 日銀短観は「大企業・製造業」がゼロと5ポイント悪化。「中小企業・製造業」も△9と5ポイント悪化。DORでも、20業種別業況判断DI で金属製品製造業は△32→△54、機械器具製造業は△25 →△36と製造業が大幅に後退している。受注残も製造業で△24→△27となり、見通しも効かない。 製造業以外でも、増税後の10月の小売販売額は7.1%減と2014年の増税直後(4.3%)以上に落ち込 んでいる。消費税率引き上げ以降、国内景気は一段と不透明になっている。

(2020年1月7日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2020年1月31日発行のDOR131号をご覧下さい

[調査要領]
調査時 2019年12月1〜15日
対象企業 中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,356社より868社の回答をえた(回答率32.7%)
(建設145社、製造業284社、流通・商業261社、サービス業172社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員41.5人
臨時・パート・アルバイトの数33.8人

PDF資料はこちら(PDF505KB)

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