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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2005年 5月 5日号

▼地域経済の振興は、中小企業と同友会にとって大きな課題です。現場研究に詳しい関満博氏(一橋大学大学院商学研究科教授)は、昨年1年間北海道の企業約50社を調査し『商工金融4月号』((財)商工総合研究所発行)に「北海道の地域産業振興と中小企業」のテーマで示唆に富む論文を発表しました

▼関氏は北海道産業の可能性を次の4点にまとめています。第1に、水産・農畜産物等の豊かな自然資源を利用した「食品関係産業」の成長、第2に、北海道に愛着を持つ「人的資源」の蓄積、第3に、「産学官連携」の進行、第4に、事業後継者の広範な存在です

▼可能性を現実化するためには、自治体、経済団体、金融機関と地域の中小企業経営者が1つの環を形成し、「わが街の発展の戦略ポイント」を見極め、共に地域を経営する視点が大切、と氏は強調しています。特に、若い経営者が希望と勇気を持って新時代に挑戦することへの期待も

▼空洞化、一極集中、公共事業削減等地域経済の危機はいたるところで進行しています。しかし、地域の事業主体者である中小企業家が各分野の知恵と情熱を集め地域の可能性を引き出し地域に豊かさをもたらす。これこそ中小企業憲章の先行実践といえます。

「中小企業家しんぶん」 5月 5日号より


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