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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2006年 2月 5日号

▼企業の社会的責任(CSR)が、今や常識化されつつあるかに見えた中での衝撃的な事件の続発です。耐震強度偽装事件、ライブドアの証券取引法違反事件、全国ホテルチエーン「東横イン」の無断改築。

▼法のウラをかいくぐる彼らの巧妙な手口にはあ然とします。罪の意識もまったく無い。彼らにとってお客様とはだれなのか、企業倫理を考えたことがあるのかを強く問いたい。特に巨額のローンを背負い、マンションを退去する住民の悲哀を思うと憤りを禁じ得ません。国を含めて賠償、補償の責任ある徹底した対応が必要です。

▼一連の事件から考えさせられることは、すべてを市場原理に委ねることを最上とする市場至上主義の思想とそれを積極推進する行政のあり方の見直しが求められていることです。利益最優先、拝金主義に走るのは経営者の資質だけの問題ではなく、法体系、社会システムのあり方として問われるべきです。

▼同友会では経営理念を明確に掲げ、地域社会で信頼される企業づくりを進めています。JR西日本の大事故でも企業理念が問題視されました。大企業の不祥事が連続する今こそ、私たちの理念型経営の真っ当さに自信と誇りを持ち、まい進しましょう。

「中小企業家しんぶん」 2月 5日号より


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