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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2006年 10月 25日号

▼九州親和HDは傘下の親和銀行が金融庁に不良債権の追加処理を迫られ、07年3月期には連結最終赤字が推定384億円となる。公的資金300億円の単独返済は難しいと見られていたが、今回同じ地銀の福岡銀行の傘下に収まった

▼これで福岡銀行は、来年4月に熊本ファミリー銀行と経営統合すると総資産は地銀トップになるという。九州親和HDは06年3月末で上場地銀90行のうち、不良債権比率が8%以上ある9行の中に挙げられていた。努力があり単純には言えないが、先行き不透明な地銀があと8行あるとも言える

▼順調な景気回復が言われているが、小泉内閣5年間でGDPは0・4%しか伸びていない。一方、上場企業の収益回復率は140%といわれている。差し引きすると多くの中小企業の苦闘がまざまざと浮き彫りになる。中小企業の中も二極化が進んでいると思われるが置き去りにしてはならない

▼中小企業が繁栄せねば地域金融機関も弱まるし、地域金融機関が地域起こしに積極的でなければ中小企業経営も厳しくなる。政府系金融機関が再編成される中で金融アセスメント制定運動は更に重要課題となり、地域金融機関との意思の疎通はより重要になる。

「中小企業家しんぶん」 10月 25日号より


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