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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2007年 3月 15日号

▼環境問題は人類の深刻な問題だが、異常気象や大きな自然災害がマスコミで報道されると一時的に関心を示す程度で、日々の生活では地球環境の変化をあまり感知せず過ごしてしまっている。地球温暖化に歯止めをかけるべく京都議定書が結ばれて9年が経過した。アメリカはこの条約を締結しなかったが、ここに来て大きな変化が起きてきた

▼ゴア前副大統領の製作した映画「不都合な真実」がアカデミー賞をとり、話題になった。ブッシュ大統領は、年初の一般教書演説で石油依存脱却を中心としたエネルギー政策の強化を表明した。具体的にはガソリンに代替燃料としてバイオエタノールを混合して石油の消費を押えようとするものだ。アメリカのエネルギー政策の大きな方向転換である。エタノールをガソリンに一定量使用することはすでにブラジルが始めているし、日本もその方向で動き出した

▼環境問題とエネルギー問題は表裏一体の関係で21世紀の大きな政治問題でもある。20世紀が安価な石油エネルギーを大量に使用した大量生産、大量消費、大量廃棄の時代であったが、その反動が21世紀初頭に現れている。環境問題を抜きに経営は成り立たない時代が来ている。

「中小企業家しんぶん」 3月 15日号より


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