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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2008年 12月 5日号

▼「人を生かす経営全国交流会」が秋色深まる琵琶湖湖畔で11月20〜21日と開かれました。基調講演は大田堯東大名誉教授。氏が同友会で初めて登壇したのが1985年1月の第1回社員教育活動全国研修交流会ですから23年余のお付き合いになります

▼大田氏は冒頭、米国発の金融危機との関連で、1929年の大恐慌時の体験について週刊誌から取材を受けたことを紹介しました。氏は1918年生まれで当時11歳、広島県の農村で生活していました。折しも父親が投資で大失敗、田畑、家屋、家具まで差し押さえられました。「タンスの中の母の衣類まで封印された記憶が鮮明」とのこと

▼一家は大阪に移り、教師であった兄、姉が生計を支える長屋暮らしとなりました。板壁1枚を隔てた隣家とは夫婦げんかも筒抜け、井戸も便所も共用です。しかしそこには「昵懇(じっこん)な生活」があり、助け合う共同体が息づいていました

▼社会にどんな異変が起きようとも「私たちの身の周りの人間関係がしっかりしていること、これが生きていく上での根城ではないか」今は日常生活での人間関係はバラバラ、これこそ危機的状況と指摘。深い問題提起から交流会は始まりました。

「中小企業家しんぶん」 12月 5日号より


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