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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2013年 2月 5日号

▼山田洋次監督50周年記念作品「東京家族」が全国公開中です。山田監督自身が、先輩の小津安二郎「東京物語」(1953年作品)を「まねた」といっていますが、4組のカップルと周辺の人々を描くことにより、戦後日本の矛盾を考えさせる秀作といえましょう

▼映画公開前日(1月18日)東京同友会は山田監督を講師に新春特別講演「寅さんと私」を開催しました。監督歴50年で80本を制作。寅さんシリーズは48作を数えます。渥美清演じる寅さんの人気のヒミツは?家族や地域からも受け入れがたい困った男、しかし排除はしない。しょっ中ケンカはするが、お互いに許し合っている中でのケンカ。だから観客も笑って見られ、すぐ仲直りできるうらやましい仲間たちに共感します。会いたい人間に映画で会えて「良かった」と思えることが今も続く人気の源なのでしょう

▼講演で山田監督は「強い国にする」というよりも「やさしい国にしたい」と述べました。経営者には少し違和感があったかもしれません。しかし、やさしさとは相手を深く思いやること。社員、お客様、地域にやさしく関わる。「真のやさしさこそ真の強さとなる」ことに監督の真意があると思いました。

「中小企業家しんぶん」 2月 5日号より


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