コラム「円卓」のバックナンバー

▼消費税が3％アップして1年が経過した。未だに消費税が転嫁できず苦しんでいる中小企業・小規模事業者が少なくない。転嫁ができなければ自腹を切ることになり、一種の事業税と言わざるを得ない

▼景気は回復基調と言われるが、全ての企業に広く浸透していない。輸出型大企業の好調な決算予想や、株式相場の値上がりをマスコミが大々的に報じているが、ごく一部の現象ではないか。大手企業に賃上げの動きが活発化しているが、中小企業がどこまで追従できるか疑問である

▼人手不足があらゆる業種に拡大し、熟練労働者や技術者の引き抜き・転職が起きている。そのため仕事があっても技術資格者などがいなくて受注できない事態が起きている。若い技術者を育てることを怠っていた企業にとってはチャンスが来たのに見送るより仕方がない。まさに機会損失の典型である

▼同友会では経営指針を作り、共同求人で定期採用をして社員「共育」を通じて育てていくという黄金の法則がある。日頃から人の移動があってもびくともしない強い組織体を作ることが経営者の仕事である。社員が毎年増える企業づくりと同時に同友会も毎年会員が増える強い組織づくりが求められる。

「中小企業家しんぶん」 4月 15日号より