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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2017年 10月 5日号

▼最近、経済紙に「ESG投資」の文字を目にすることが増えました。これは、気候変動など環境(Environment)の課題、ダイバーシティなど社会(Social)の課題、リスク管理体制など企業統治(Governance)の課題に取り組む企業の経営姿勢を評価し、投資判断に組み込もうというものです。企業の社会性の評価基準のひとつです

▼この動きが生まれた背景には、リーマン・ショックの反省があります。短期的な利益を追求した投資行動の結果、企業の持続性を軽視し世界経済を混乱に陥れた問題を克服しようというものです。ESG投資は、長期的な観点で企業価値の向上をめざし、持続的な成長につなげることによって投資リスクの低減とリターンの増加を見込みます

▼大事なことは、自らが株式投資をしているかどうかを別にして、今後の企業評価のあり方を展望するものと理解し着目しておくことです。定時総会の第11分科会では、国連による「ビジネスと人権に関する指導原則」を取り上げました。今後は、株式公開の有無にかかわらず、このような社会的責任の観点での企業評価がひろく適用されるでしょう。今から半歩先を見据えましょう。

「中小企業家しんぶん」 10月 5日号より


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