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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2018年 9月 5日号

▼「フェイクニュース」という言葉が広まっています。事実と異なる情報や推測によるものであれば、従来用語では虚偽報道、故意であれば捏造(ねつぞう)報道であり、非難の対象となります。米国大統領がこの言葉を用いてメディア批判を繰り返す中、全米の300以上の新聞社が一斉に社説で反論したと、わが国でも報道されました。いずれが虚偽や捏造であるかは、歴史が証明することでしょう

▼一方、米国の新聞社による一斉社説掲載と同じ日、マレーシア連邦議会下院でフェイクニュース対策法を廃止する法案が可決されたと報じられました。この対策法は、政争に使われるような恣意的な運用が可能だと判断された結果のようです

▼事実に基づくものの、過剰に大げさに伝えることを針小棒大といい、類義語には大言壮語というものもあります。しかし、成果を強調することで喜びを大きくしたり、その前途に希望をもたらして次のステップに意欲をもって臨むための表現の工夫は、日常の生活では許容範囲とされてもよいでしょう。情報を扱う発信者と受け手とに信頼関係がある中で、虚偽や捏造を排して事実に基づいたデータや経験を力に変換するような前向きな情報共有をしたいものです。

「中小企業家しんぶん」 9月 5日号より


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