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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2020年 7月 5日号

▼正常性バイアスという心の働きが出てきそうなほど『コロナ疲れ』が見え隠れしています。見えない不安であるウイルスの存在。経済・社会への打撃も大きい中、自分に都合の悪い情報を後景に追いやり「自分は大丈夫」という心の動きにすがりたくなります

▼報道番組では、コロナ後を考えるために専門家の分析も紹介しています。飯島渉・青山学院大学教授は、新型コロナウイルスにより人類が初めて戦争とは質が違う生死に関わる共通の危機に直面したと語りました。また國分功一郎・東京大学准教授は、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベン氏が、政府による移動の自由の制限を批判したことや、感染した死者に会うこともできず葬儀も行われないのは『死者の権利』を蹂躙(じゅうりん)していると指摘したことを紹介し、「生存以外のいかなる価値も認めない社会」について問いかけました

▼私たちは、このような「正常ではない」中で企業の将来を見通さねばなりません。コロナ後の「新常態」をつくるとき、経営の根幹に置く「中小企業の労使関係における見解」(労使見解)に立ち返り、その具体化と実践で何を守るのか見据えましょう。今こそ企業の社会的役割を果たす時です。

「中小企業家しんぶん」 7月 5日号より


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