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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2023年 1月 15日号

▼昨年2月にロシアがウクライナを侵攻し、未だに戦争は続いています。世界中にその影響は広がり、多くの人々が苦しんでいます。国連の安全保障の枠組みも機能を果たさず、ロシアは核の威嚇を繰り返し、世界大戦への広がりも懸念されています。また、日本隣国においても、北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、核戦力を増強しています。中国も軍事力を強め、台湾統一に武力行使を辞さない構えです。アメリカは武力行使に対して、台湾を防衛すると言っています。一気に台湾有事の不安が高まりました

▼そのような中で昨年末、政府は防衛力を高めるため、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を含む新たな安全保障関連3文書を閣議決定しました。平和憲法に基づく専守防衛の考え方に変更はないとしていますが、戦後の安全保障政策の大転換です。専守防衛は、非核三原則と並び、憲法9条に基づく防衛政策の理念であり大変難しい問題です

▼まず、外交努力ありきは言うまでもありませんが、反撃能力を保有しどう防衛するのか、専守防衛との整合性や行使の判断基準など、不透明です。憲法の意味する平和主義の精神と専守防衛の考え方について、もっと丁寧な議論が必要です。

「中小企業家しんぶん」 1月 15日号より


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