【経済データを読む】女性経営者のデータを読む

 女性経営者のデータ把握は日本では難しい。自営業者の統計は出ていますが、法人企業では社長の性別統計がないからです。帝国データバンクの「全国社長分析」(約115万社のデータを分析)の女性社長比率(全社長数に占める女性社長の比率)で最近の推移をみれば、2005年67,299人5.71%、 2006年66,122人5.73%、2007年65,642人5.74%、2008年65,452人5.74%、2009年66,842人5.78%となっています。

 一方、米国の女性自営業主の増加は、この間すごいものがあります。1982年には日本の女性自営業主とほぼ同じ約253万人(非農林)だったのが、97年には約658万人と3倍化し、その傾向が続いています(日本は97年に208万人)。問題は日本では自営業主が減少していることです。女性自営業主の割合も、日本は82年35%から97年33%と微減。米国は82年27%から97年34%と上昇しています。今後の日本で、地域での仕事づくりを考える上で、女性経営者を増やすことが、地域で生きる保障のひとつになると思われます。参考に、都道府県別女性社長率と全国会員データベース統計から算出した同友会の女性会員比率をご覧下さい。

注)女性社長率=女性社長企業数/企業数。帝国データバンク・内閣府男女共同参画局等によるデータに基づき(株)東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長・渥美由喜氏が作成(内閣府男女共同参画局「共同参画」2009年12月号より)。

資料

「中小企業家しんぶん」 2010年 6月 25日号より