日本中小企業学会第33回全国大会が開催される―愛知同友会の加藤代表、池内事務局員が報告

統一論題「アジア大の分業構造と中小企業―アジア共生時代の日本中小企業の行方」

 日本中小企業学会の第33回全国大会が9月14~15日、愛知の名城大学天白キャンパスで行われました。

 全体会の国際交流セッションでは加藤明彦・愛知同友会代表理事・エイベックス(株)代表取締役会長が登壇し、Nguyen Trong Hieu・ベトナム計画投資省企業開発庁副局長とPrayoon Shiowattana・泰日経済技術振興協会前会長(タイ)とともに講演しました。

 加藤氏は「激動の時代を乗り越える企業づくり~社員の成長が、会社発展のカギ~」と題して講演。自動車部品製造業界における自社の経営戦略を紹介し、大手企業の海外展開が進む中でも、国内市場と自社の可能性を徹底的に追求し人間尊重の経営を貫くことで中小企業は発展できると指摘しました。加藤氏の講演には「世界を見据え、地域に生きる姿勢に感銘を受けた」など反響が寄せられました。

 2日目の第9分科会では池内秀樹・愛知同友会事務局員が「中小企業家の経営環境改善の取り組み―東アジア版『中小企業憲章』を展望して―」と題して、2012年に愛知県中小企業研究財団が行ったタイ・ベトナム視察を踏まえて報告しました。池内氏は、「ASEAN統合が進む中、アジアの中小企業が自律的に発展できるにはどうすればよいのか、構想を議論するための枠組みを提起したい」と報告の趣旨を説明しました。

 今回の大会では、統一論題のほか、「中小企業と国際化」「新産業、新技術と中小企業」「地域経済と中小企業」「中小企業と経営改善・マーケティング」などの自由論題で9つの分科会も開かれました。

 大会と並んで行われた会員総会では、中小企業学会会長を2010年から務めてきた高田亮爾氏(流通科学大学教授)が退任し、新会長には寺岡寛氏(中京大学教授)が選出されました。次回34回全国大会は東京の桜美林大学で開催される予定です。

「中小企業家しんぶん」 2013年 10月 5日号より