来年は必ず、今年よりも美味しい食がここにあります!【岩手】

農業・食糧生産部会が海と山をつなぐ秋の大収穫祭

岩手農業・食糧生産部会

こんな時こそ自信を持って、誇りを持って表へ出よう

 岩手同友会では、農業・食糧生産部会の秋の大収穫祭が10月28日、岩手町のキロサ肉畜生産センターを会場に開かれました。

 今年の夏の猛暑は、野菜の生産、養鶏などの畜産業に甚大な被害を与えました。また三陸の漁場では、水温の高さから秋刀魚や鮭の回遊が遅れ、関連する食品製造業にまで大きな影響があります。

 そんな状況を吹き飛ばそうと、大収穫祭当日は、県内各地から、さまざまな業種の経営者、社員ら16名が参加。用意されたいっぱいの山と海の秋の味覚に大満足の収穫祭となりました。

 10月としては肌寒い中、はじめに大船渡市の銚子林業木材加工所の熊谷秀明氏が、「海と山をつなぐ~岩手の第6次産業を展望する~」をテーマにミニ報告を行いました。

 熊谷さんは、山から木を伐採、提供する側として「消費者も供給する側も、山の恩恵をいただいているという意識が少ない」こと、「貯水、洪水防止、空気の浄化など、山にはさまざまな機能があり、恩恵を受けている」と話し、「命あるものを最大限生かしていく努力が私たちにとって必要ではないか。山の木が水を浄化し、川に流れ、海を育み、食を育てる。全てが循環している姿が理想の姿では。皆さんで山を守り、自然の恩恵を次世代にどう継承するか。今日はお腹一杯いただきながら、共に何ができるか考えましょう」と呼びかけました。

 ミニ例会のあとはいよいよ昼食です。

 今回の収穫祭には、特別に陸前高田から採ったばかりのホタテ、殻付き牡蠣(かき)、サンマなど、新鮮な魚介類も登場。地元岩手町からは、やまと豚、奥羽牛ステーキ、地元特産の春みどりキャベツなどが食べきれないほど用意され、豊富な食材を存分に堪能しました。

 食後は、恒例のやまと豚丸ごと1頭分の精肉販売会です。格安の生産者価格にあっという間に完売しました。

 最後に、「農畜産業は必ず波がある。こんな時こそ自分たちがやっていることに自信を持って、誇りを持って表へ出よう。来年は必ず、今年よりも美味(おい)しい食がここにあります!」と宣言。来年へ向け、一致結束した大収穫祭となりました。

「中小企業家しんぶん」 2010年 11月 15日号より