激変する介護事業業界で生き残りをかけて~香川県ケアマネージメントセンター(株) 代表取締役 林 哲也氏

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】17

 企業変革支援プログラム・ステップ1の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は徳島同友会徳島支部6月例会報告より、香川県ケアマネージメントセンター(株)代表取締役・林哲也氏(香川)の実践を紹介します。

企業変革支援プログラムで会社を「見える化」

 当社は、介護保険のケアプラン作成業務や介護保険に関するコンサルタント業務などを行っています。

 設立当初から訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを運営せずに、「ケアプランだけを作成」してきました。その理由は、「利用者のためになる介護サービスを受けることを支援する」ことが私たちの使命と考えてきたからです。

 私自身は同友会活動の中でいろいろなことを学び、実践してきました。例えば、働いている社員との面談を取り入れたり、採用面談は一緒に働く社員と共に行うようにしてきました。

企業変革支援プログラム・ステップ1(以下ステップ1)は、全国単位や県単位、業種ごと、会社の規模ごとでも自社の分析結果が比較できる優れたツールです。

 当社では、ステップ1を実施したことで会社を「見える化」でき、顧客満足度の把握が弱いということを知りました。それまで「介護は『奉仕の世界』だから顧客満足は関係ない」という根強い抵抗がありましたが、内心は「怖さ」がありました。

 そこで顧客満足の把握のためにアンケートを実施し、当社の顧客は「知人紹介」が軸となっていて、顧客満足が「紹介」の源泉だということに気が付きました。

 このステップ1での分析を経営者が1人でするのもいいかもしれませんが、全社員で実施することで主観の集合となり、客観に近づくことができます。当社では全社員で分析を行い、その結果にもとづいてグループ討論をしています。

 介護業界自体も変わりつつあります。この激変する介護保険制度の中で生き残るためには、制度が変わっても「香川県ケアマネージメントセンターでなければ…」と顧客から選ばれる絆のある関係を築き、理念をふまえて新しいビジネスモデルを追及するなど、さらなる自己変革が必要です。

 そのためには、ステップ1を使ってさらに自社の「見える化」をし、どう改革していくかを考え、「経営指針書」を作成することが大切だと思います。

「中小企業家しんぶん」 2011年 9月 5日号より