人を生かす経営に光をあてる障害者雇用-静岡で中同協障害者問題委員会を開催

中同協障害者問題委員会が9月28~29日、静岡で開かれ、17同友会および中同協とオブザーバーを含め71名が参加しました。

 冒頭、内田中同協障害者問題委員長より「学びの積み重ねがあると、深い理解と感動がある。いろいろな出会いや学びを生かして、障害者問題委員会も前進してまいりたい」と開会のあいさつがありました。

 1日目は、NPOオールしずおかベストコミュニティ本部長の永井忍さんが事例報告として、「障害のある人の働く笑顔で、福祉と企業、地域の心をつなぐオールしずおかの活動」をテーマに、障害者がつくっていることに付加価値がつくようにしたいと報告。

 続いて、神奈川同友会 障害者福祉部会長で(株)バニーフーズ代表取締役の高橋良治さんが「同友会で学び、実践、障害者雇用を通して、経営危機を脱し、事業承継へ」をテーマに、「障害者問題委員会で学び、障害者雇用に本格的に取り組む中で、企業づくりが進んだ。障害者が働くことで自信に満ちた顔になってきた」と報告。その後、8グループにわかれて討論がおこなれました。

 討論では、「障害者に光をあてる企業づくりではなく、障害者の方が企業づくりに新たな光を与えてくれている。人を生かす経営を実践する企業づくりを進めるなかで、障害者雇用に取り組むことが重要。障害者と共に働くことで人を生かす経営の実践も深まる」との意見が交わされ、障害者の方から社会に光をあてることが必要と確認し、1日目が終了しました。

 2日目には、障害者雇用に関わる課題について説明があり、今後の障害者問題委員会の活動と方向性を討議。その中で、現在の自立支援法以降の取り組みで、「A型就労事業所に取り組むことで障害者雇用が進むというのでなく、障害者に働く場をつくることが重要」と憲法の生存権と労働権における障害者雇用の説明を聞いて理解を深めました。

 障害者雇用には、「福祉の利用者」と「労働者」という立場で違い、障害者が「福祉を利用する」という環境から、「働く」という環境に戻していくことが大変重要な課題であることが明らかになりました。

 委員会では、障害者のおかれている環境を変えていくこと、人を生かす経営の実践のなかで障害者雇用に取り組んでいくことなどを確認しました。

 その後、大阪同友会より第16回障害者問題全国交流会の開催概要の提案があり、また、2013年の第17回障全交は神奈川で開催することなどを確認しました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 10月 25日号より