Ⅴ 付加価値を高める (5)新事業(第二創業や業態転換などを含む)の取り組みへの仕組みと体制

【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】24

市場のニーズの変化に対応した事業を

 今回の変革項目「新事業(第二創業や業態転換などを含む)の取り組みへの仕組みと体制」では、会社が新たな付加価値を生み出すためにどのような取り組みをしているか、特に、既存事業への見直し(顧客、商品、サービス、売り方の組み合わせを新しく見直す仕組み)を組織的に行い、なおかつ新しい事業が生まれるための仕組みづくりがどれだけ進んでいるかを再点検し、自社の変革に生かしていくということを、大きなねらいとしています。

 企業が永続的に成長発展していくためには、時代の流れの中で、市場のニーズの変化に対応した事業の取り組みがなされなければなりません。

 そういう意味において、この変革項目は企業の成長発展において、大変重要なチェックポイントになっています。

今ある事業資源の見直しを

 また、この変革項目においては、人、物、金、情報という経営資源の乏しい中小企業を意識して、既存の事業から離れた、全く新しい事業を展開するというより、今ある事業資源(顧客、商品、サービス、売り方)を見直すということに力点を置くよう考えています。

 これであれば、企業規模の大小にかかわらず、それぞれの企業で取り組める内容があるかと思います。そういう点で、自社の導入、実践状況の確認はしっかりしてほしいと考えています。

競合他社の研究から変革のヒントをつかむ

 また、この変革項目を考える場合、ベンチマーク(競合他社の研究)をしっかり行うことが、自社の変革のヒントにつながると考えます。日頃から、地域や自社がターゲットとする市場におけるライバル企業を明確にし、それらの企業に対する研究を積極的に行うべきでしょう。

 そうすることで、自社の事業に足りないところ、また、他社の新しい事業への取り組みなどが理解でき、自社の事業変革を具体的に進めることができます。

 時代の変化の中でそれぞれの企業が、さまざまな努力をしているはずです。私たちも、その流れに乗り遅れないよう、積極果敢に、新事業への取り組みを行っていきましょう。

(株)大栄電機工業 代表取締役 大野 栄一(愛媛)
中同協企業変革支援プログラム検討プロジェクト委員

「中小企業家しんぶん」 2013年 5月 15日号より