誰もがいきいきと共に働き、共に生きることのできる企業づくり・社会づくりを!【新潟】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】30

 各同友会の実践事例を紹介する本シリーズ。今回は新潟同友会障がい福祉研究部会の取り組みです。

障がい福祉研究部会を設立

 新潟同友会では、「誰もがいきいきと共に働き、共に生きることのできる企業づくり・社会づくりを!」を活動スローガンに、今年度より障がい福祉研究部会が立ち上がりました。障がい者雇用や若者の社会参加支援に取り組んでいる(株)叶味家の長嶋信司社長が部会長に就任し、6月4日に設立記念例会が開催されました。

 1人目の報告者は、新潟同友会会員のアイウッド(株)の熊谷勝利社長。「依頼を受け、木工教室を行ったのがたまたま特別支援学校だった」というところから障がいを持つ若者との接点が生まれ、職場実習受け入れ、雇用へとつながっていきました。「ボランティアではなく、彼らと一緒に、良い会社をつくりたい。利益もしっかり出していきたい」と熱い想(おも)いを語りました。

 2人目の報告者は、新潟県立江南高等特別支援学校進路指導主事の久保田健教諭。さまざまな障がいについてわかりやすく説明し、雇用以外の企業の関わり方(職場実習・見学・ぷれジョブなど)を、実例を挙げながら報告しました。

 設立記念例会には会員26名、会員外経営者・行政・学校・関連機関・施設など17名、合計43名が参加。予想を上回る参加者に、この部会への期待と関心の高さを感じました。

 会員からは、「障がいとは社会が作った障壁であり、理解不足からくる偏見が多いような気がします。障がい者雇用のイメージができました」「あえてハンディのある人を雇用する意味を、私の中でつかみかねていましたが、ちょっと消化できました」、会員外の参加者からは、「企業様の生の声を沢山聞くことができて良かったです。反面、障がいのある方たちを理解してもらうことはまだまだこれからなんだと感じました」「素晴らしい会だと改めて実感致しました。今後、ワークショップ方式など進行過程で参加者の主体的な参加ができるような仕組みがあれば雇用とまでは言わずとも、実質化のプロセスになると思いました」と、それぞれ率直な感想が寄せられました。そして、その後、実習受入、ぷれジョブへの協力など、具体的な動きが出ています。

 今後、部会としては、「まずは知ることから!」と、事例報告例会、障がい者雇用企業や特別支援学校、福祉施設の見学会などの活動を通して理解を深め、会内外へ発信していきます。

「中小企業家しんぶん」 2013年 8月 5日号より