企業変革支援プログラムでPDCAを回して~中同協経営労働委員会副委員長 上田 裕子氏(株)AZUMA 代表取締役(熊本)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】33

 企業変革支援プログラムステップ2の発行から1年が経とうとしています。私の周囲でも、このステップ2の活用を「どのように生かしたらいいか? やり方が分からない」などの声が聞こえてきます。

 企業変革支援プログラムを会社内のシステムとして定期的に報告会などで活用するなど、経営の一連の流れの中に組むことができれば、大変大きな効果が生まれると私は感じています。

 現在、熊本同友会経営労働委員会では、毎月企業変革支援プログラムステップ2の勉強会を行い、読み合わせや実践事例を報告していただいたりするなど、その内容を理解できるようにと取り組んでいます。

 熊本でも、経営指針づくりの活動が取り組まれていますが、経営指針をつくる中で、特に経営理念については社長の考えがいかに社員と共有できるかが重要です。「経営者の責任」が表面的であれば社員は誰もついてきません。

 そのような時、企業変革支援プログラムを活用し、あるいは経営指針書を作成する中で自社をめぐる社会情勢を把握し、社員と共有することが有効だと感じています。例えば、私たちの業界では、現在、自社ではどうする事もできない外部環境の変化、燃料の高騰化が大きな課題となっており、これを止める手だてもありません。このような現状認識を社員と共有することが経営指針を実践する上では必要です。

 このようなことが経営理念を実践するための過程として、企業変革支援プログラムの中に織り込まれています。

 さてわが社ですが、年に1回、幹部社員で企業変革支援プログラムを使って、自社の分析をしています。私と幹部社員のギャップが大きい箇所については、私がその問題を解決するべきことであると考え、問題解決に注力していないことを反省するようにしています。

 当社は、運輸業という労働時間も不規則な分野でもあり、なかなか全社員で1泊研修とはいきません。ですので、週次報告会(幹部会)を大事にし、企業変革支援プログラムを活用しながらPDCAを回すようにしています。

 でも、なかなかうまくいきません。論議が横道にそれるときは、「本質に戻る、ぶれない」「何が大事か? 原理・原則を守る」。この様な事を会議の中で掘り下げています。

 当社の今年の経営指針発表会は、10月6日に行う予定です。第一部は社員への経営指針発表、2部は家族参加での懇親会を開催することとにしました。

 家族の応援があっての会社です。家族を大切にし、社会から必要とされる人間になること、そして、共に育ちあう集団をめざすことを人事理念に入れました。

このように微力ではありますが、経営指針作成などで企業変革支援プログラムを活用し、取り組んでいるところです。

「中小企業家しんぶん」 2013年 10月 5日号より