経営指針成文化のプロセスに「企業変革支援プログラム」を位置づける~中同協経営労働委員長 大野 栄一

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】35

 弊社では、企業変革支援プログラムの活用と経営指針成文化は密接な関係にあります。経営指針の成文化は1988年、26年前からはじめました。最初に経営指針を全社員の前で発表したことは、今でも鮮明に記憶の中に残っています。そして、その日から、経営指針を社内へ浸透させることの苦労が始まりました。社内へ浸透させるためにいろいろな取り組みを行いました。社内合宿をして経営指針の成文化をしたり、朝礼や会議など、色々な場面で経営指針をもとに会社を進めてゆく努力をしました。

 そして、その間に、経営指針の社内浸透は会社の年間計画の中に位置づけることが大切だということがわかりました。内部環境分析、外部環境分析、SWOT分析、全社方針、部門方針、年間計画など、経営指針を成文化するプロセスで重要な事項を、年度計画の中の時間軸(3カ月程度)で割り振りをし、全社員を巻き込んで、会議やミーティングの中で経営指針を作成してゆくというやり方です。このプロセスを全社で取り組むことで、経営指針の中身の共有が進み、浸透が図られてゆくという考え方です。

 弊社では企業変革支援プログラムは、この取り組みの中の内部環境分析のところで使われています。内部環境分析は、自社の経営資源に目を向け、自社の強み弱みを理解するプロセスです。企業変革支援プログラムステップ1は、22の管理項目に関して自社の強み弱み(立ち位置)を分析できますので、内部環境分析には持ってこいです。また、経営者と幹部、社員が自社分析をし、そのすり合わせをディスカッションすることで、社長と社員との意識の違い、会社理解を深めることができるのです。

 現在、企業変革支援プログラムはステップ2が発刊されています。現在のところ弊社では、内部環境分析のプロセスで、自社の強み弱み、特に弱みのさらなる深堀りをステップ2で行い、経営課題を抽出するという使い方をしています。

 今後は、幹部教育という観点で、年間シリーズでステップ2の項目ごとの勉強会の開催を進めてゆきたいと考えています。また、ステップ2の中にある企業プロフィールの作成は、会社の概観をつかむ上で大変有効です。経営者のみならず、幹部社員が作成できるというレベルまで持ってゆきたいというのが現在の私の目標です。

 いずれにせよ、企業変革支援プログラムは自社の立ち位置を明確にできるもので、長く使い続けてゆくことが大切だと思います。年間の会社スケジュールの中に位置づけ、粘り強く、使い続けてゆきたいと考えています。

「中小企業家しんぶん」 2013年 11月 15日号より

「中小企業家しんぶん」 2013年 11月 15日号より