神奈川同友会川崎支部 川崎支部支部長 星野 妃世子氏 (株)スタックス 代表取締役社長

行政とも連携し中小企業の発展を

――地域の特徴をお願いします。

星野 川崎市は横浜と東京の間で、中小企業が集中している地域です。昔は製造業が主体の地域でしたが、大企業の撤退などもあり産業構成も大きく変化しています。

 人口増加率日本一で完全失業率が低く、若者が多いなど恵まれた地域でもあります。

――ご自身の企業について教えてください。

星野 (株)スタックスは父が板金加工業として始めました。父の時代にはひとつの企業に依存する体質があり、大部分を担っていた企業からの仕事がなくなり、本当に経営の厳しい時に事業を引継ぎました。

 経営を持ち直すためには社員を大幅にカットしなければならず、大変苦しい思いをしました。

 川崎市以外にも千葉と新潟に工場を展開しております。

――同友会入会のきっかけは。

星野 2009年に入会し、すぐに経営指針作成セミナーを受講、作成したビジョンに基づいて新潟にある廃校を買い取り、工場の移転を行いました。社員の反対を押し切り、決断できたのは「新潟工場の増築・改築」といったビジョンがあったおかげだと思います。

同友会の魅力は勉強会を自ら開くその自発性とお互いの経営を議論するグループ討論にあります。

――川崎支部の特徴はどのようなところにありますか。

星野 川崎市は産業振興課の方々が中小企業に歩み寄っていることが他の地域にない大きな魅力ではないかと感じます。中小企業の実態を知ろうとする行政の方々に同友会の魅力を発信していく必要があります。

 川崎支部で取り組んでいることが「ビジネスリゾート」です。業種問わずの産業交流会で一般の方の参加もあります。

 今年で5回目となり、産業振興課のビルを1棟借りて開催し新会員も運営に関わり、支部内に知り合いが増えネットワークが広がっています。

 支部としては初めて市長を招き、外部からの認知度が上がってきました。

――今後の抱負は?

星野 川崎市の中小企業振興基本条例の策定委員に選ばれました。産業振興課の強い協力のみではなく川崎市をあげて条例制定に取り組んでほしいと願っています。

 私の思いとして、女性経営者の方がもっと増えてほしいので「女性の活躍推進」、そして地域の産業構成を生かした「大企業とのマッチング」を視野に入れ条例制定の実現を目指したいと思っています。

支部の概要

神奈川同友会(全7支部)
川崎支部
支部設立年 1983年
支部範囲 川崎市内
会員数 186名

「中小企業家しんぶん」 2014年 10月 5日号より