経営指針の成文化をきっかけに 大分同友会・大分支部 支部長 田島 慶一郎氏

大分同友会大分支部 支部長 田島 慶一郎氏 アークホーム(株)代表取締役社長

――地域の特徴を

 大分県は1980年代に、当時の平松守彦知事が「1村1品運動」を展開し、全市町村で地域の特産品を生産しようと県を挙げて取り組まれていました。そうした地域の歴史があるため、県内は地域性豊かです。

 大分市は世界最大級の高炉のある新日鐵住金の工場をはじめ、ソニーやキャノンなど大企業の誘致も多く、そのため子育て世代が減少せず人口47万人という大規模な都市です。

――ご自身について教えてください

 当社は「20~30代でも安心して家を建てられる」がコンセプトのアイフルホームのフランチャイズ店です。

 父が「新規事業を始めたい」と当時アメリカに留学している私に電話してきたのが起業のきっかけで、仕事の経験もないまま経営者になりました。何もノウハウのない中、社員との関係構築には本当に苦労しました。

――同友会入会のきっかけは

 経営者である父(田島翔三・大分同友会元代表理事)から勧められて会社の設立と同時に入会しました。

 社員に対して猜疑心の塊だった私の転機となったのが、「経営指針成文化セミナー」です。それまで経営のテクニックばかり気にしていましたが「何のために経営をしているのですか?」と問われ、心のもやもやがドバッーと出ていき、目から鱗の気づきの連続でした。

 「どうやって社員に仕事をさせるか」と考える自分が変わらなければ社員も変わらないことに気づいたのです。

――大分支部の特徴は

 大分支部は会員数約250名とひとつの支部としてはかなり大きいです。だからこそ、県の要を担い情報発信をしていきたい。

 私と木下光一・前代表理事と事務局で「大分市中小企業振興基本条例」の検討会議に関わり、12月に議会提案を予定しています。会議に3名も参加しているのは経済団体の中でも同友会だけ。自然と前向きな発言が増え、同友会への期待が感じられます。

 条例制定にむけ、行政や地域の期待に応えられるよう企業の姿勢が問われています。

――今後の抱負は?

 「チャレンジャーでいこう! 1人1人が主体者になろう!」が大分支部とわが社の今期スローガンです。それぞれが自主的に働くことで企業は変わります。「自主的に働く」ことこそ同友会で学べるのだと地域に認識してもらえるよう活動をしていきます。

 企業として、当社は中途・新卒採用を含めて定着率がとても高いです。家の相談をしたいとなると企業ではなく、担当者の顔が浮かぶ。そのため、お客様がお客様を口コミで呼んでくれます。だからこそ自主的な社員をこれからも育て強い組織をつくりたいです。

支部の概要

大分同友会(全6支部)
大分支部
支部設立年 1981年
支部範囲 大分市、臼杵市、竹田市、豊後大野市
会員数 255名(10月21日現在)
役員数 20名

「中小企業家しんぶん」 2014年 11月 5日号より