初年度より今期の自己評価が低い! でもここに確かな成長がある!

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】45

(株)ユニオン環境 代表取締役 辻野 誠 (大阪)

指針セミナーで自分を見つめなおす

 父親が代表を務める会社の経営体質の変化に伴い今から3年前、建設部門を引き継ぎ分社独立させていただきました。

 独立当初、取引先様もそのまま引き継がせていただいたので独立という感覚はあまりなく仕事を受注する事自体苦労せず始めることができました。

 そのような感覚で始まった事もあり、毎日目先の仕事に追われるというような事を繰り返しているうち「なぜ自分は仕事をしているのだろう? なぜ代表をしているのだろう?」と勝手に自暴自棄に陥っていきました。

 そんな気持ちで仕事をしていたので理念もビジョンも経営者の責任も当然ありませんでした。

 そんな時に協力会社の社長から同友会の事を教えていただき、ゲストで2回ほど参加した後「ちょっとでも知り合いが増えればいいかな」と軽い気持ちで入会させていただきました。

 入会してすぐ全大阪中小企業家経営フォーラムの参加させていただいたグループ討論で自分の意識を大きく変える出来事がありました。

 それはグループ討論に参加されている方のほとんどが経営理念を掲げて自社の経営をされていると聞いて経営理念そのものの意味すら知らなかった自分、やりがいを見失っていた自分、経営者としての自覚がない自分がいかに経営者として未熟であるかを思い知らされました。

 同じグループの方に同友会では指針セミナーを実施しているという事を教えていただきすぐ受講しました。指針セミナーはまさしく自分を見つめ直せるセミナーでした。このセミナーなくして今の自分はあり得ないと言い切れるほどこのセミナーの学びは大きいです。

大いなる誤解からわかったこと

ユニオン環境の会社前

 セミナーで企業変革支援プログラムの事を知り、1年前に初めてSTEP1を実践しました。

 その結果はほとんどがレベル2とたまにレベル3のちょっといびつな円でしたが自分の中では「あれ?意外とましな結果がでたな」と正直思いました。

 意外な結果が間違いの結果という事は仕事をしていくなか3カ月も経たないうちにわかりました。意外とましな結果が出たという事実こそが自社分析できていないということだったのです。その間違いに気づかせてくれた時は正直この企業変革支援プログラムはよくできているなと感心しました。

 改めて1年後同じSTEP1を実践し結果は言うまでもなくほとんどがレベル1とレベル2でした。

 1年前にくらべて点数が低かったのですが間違いなく自分は1年前に比べて成長できたと感じた瞬間でもありました。

 それは1つ1つの問いに対して分析できているという事が分かったからです。分析した上で今自分ができていること、できていないこと、これから取り組まなければいけないことが少しはわかりました。

A41枚に込めた決意

 それともう1つ今年は去年と違うことを実践しています。それはA41枚ではありますが経営指針書を作成した事です。

 5年後のビジョンを掲げ全社一丸となって目標達成に向けて歩んで行くことを決意しました。

 自社で初めての指針書は実際自分の想(おも)いだけで作成し、まだ作成して日が浅く社員、アルバイトのみんなに発表しても理解はしてもらっていますが納得するまでには至っていません。目標達成するために越えなくていけない山の多さに唖然としますが、ひとつひとつ乗り超えていくしかないと思います。

 まずはこの1年掲げた目標に向かって歩み、来年の指針書は全員参加で作り上げ少しでも前に進めるように成長したいと思います。

 この企業変革支援プログラムを実践することで自分の足りないものが明確に分かりました。それは経営者の責任と覚悟だということです。

 自分の悪い癖はいつも都合の悪いことがあればすぐに逃げてしまうという心の弱さがあります。目先のことから逃げるのは簡単ですが、先を見据えて考えると逃げることはそんなたやすいものではない。逃げてしまえばせっかく今まで歩んできた道が台無しになってしまいます。そのことを心に想いながら精一杯前に進んでいこうと思います。

 そして来年企業変革支援プログラムを実践した時に成長できたと実感できるよう今年1年会社全員の力で歩んでいきたいと思います。

(「OSAKA中小企業家」2014年11月号より転載)

「中小企業家しんぶん」 2015年 1月 5日号より