(Q&A-2)事業者としてどこまでの準備をすればよいか?

内閣官房 社会保障改革担当室 内閣参事官 三橋 一彦

 10月にマイナンバー法が施行され、国内の全住民にマイナンバーの通知が始まっています。事業者にとっても、来年1月以降、税務署への申告書や公共職業安定所へ提出する書類に従業員等のマイナンバーの記載が求められます。今回から4回にわたり、事業者の皆さんから特に多い問い合わせについてQ&Aで連載します。

 第1回は総論として、事業者としてどこまでの準備をすればよいか、第2回目以降は、情報漏えい等に対する罰則、番号と本人確認の実際、安全管理措置のポイントなどについて回答します。

(Q) マイナンバー制度に対し、小規模な事業者はどこまで準備したらよいのか。

(A) 事業者の業態・規模等により必要な準備の程度等は異なり、詳しくは特定個人情報保護委員会のガイドラインで示されていますが、内閣官房・内閣府では、従業員の少ない事業者向けに以下のようなチェックリストを示しています。

 一般的には、従業員の少ない小規模な事業者は、このリストを参考にしていただければ、最低限の準備は可能であると考えています。

◎チェックリスト

<担当者の明確化と番号の取得>

□マイナンバーを扱う人を、あらかじめ決めておきましょう(給料や社会保険料を扱っている人など)。
□マイナンバーを従業員から取得する際には、利用目的(「源泉徴収票作成」「健康保険・厚生年金保険届出」「雇用保険届出」)を伝えましょう。
□マイナンバーを従業員から取得する際には、番号が間違っていないかの確認と身元の確認が必要です。
 (1)顔写真の付いている「個人番号カード」か、(2)10月から届くマイナンバーが書いてある「通知カード」と「運転免許証」などで確認を行いましょう。

※従業員で身元の確認が十分できている場合は、番号だけ確認してください。
※アルバイトやパートの方も、マイナンバーの番号確認や身元確認が必要となります。

<マイナンバーの管理・保管>

□マイナンバーが記載された書類は、カギがかかる棚や引き出しに大切に保管するようにしましょう。無理にパソコンを購入する必要はありません。
□パソコンがインターネットに接続されている場合は、ウイルス対策ソフトを最新版に更新するなどセキュリティー対策を行いましょう。
□従業員の退職や契約の終了などでマイナンバーが必要なくなったら、細かく裁断するなどマイナンバーの書いてある書類を廃棄しましょう。パソコンに入っているマイナンバーも削除しましょう。

<従業員の皆さんへの確認事項>

□マイナンバー制度のチラシを掲示版に貼るなどして、従業員の皆さんに通知が届く時期や何に使うかなど、基本的なことを知ってもらいましょう。

「中小企業家しんぶん」 2015年 11月 5日号より