企業変革支援プログラムのさらなる活用を 中同協経営労働副委員長 山田 茂(大阪)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】50

 「活用しよう!企業変革支援プログラム」シリーズの最終回となる今回。山田茂・中同協経営労働副委員長(企業変革支援プログラム担当)のまとめを掲載します。

 7月14~15日に行われる中同協第48回定時総会・大阪の会場では、「お変わりありませんか?」という会話が飛び交うことと思います。全国から総会に集う同友会仲間の意味深げな独特のあいさつです。

 それは「指針で掲げた企業像に近づくための成果を伴う具体的な行動」はこの1年でどれくらい進み、会社はどう変わりましたか?という意味なのです。

 中長期のビジョンを盛り込んだ経営指針を社員と共有し、労働環境の整備をしながら仕事を進め、その中で人材採用と社員教育をおこないながら社長も含めて人が育ち、人が育ちあう社風をつくること。その風景の中には、障害者や高齢者など就業困難者の姿があるかも知れません。

 企業を樹(木)に例えます。木が育つためには何が大切でしょうか? 枝葉が大きく張り出すことでしょうか。しかし、「目に見えない」部位すなわち根っこが大きく地中で張っていないとその樹は倒れてしまうでしょう。つまり目に見える部分の枝葉は、売上高、利益額や社員数など財務諸表などの資料で見ることができるものです。「目に見えない」部分の根っことは、日々私たちが同友会で研鑽しあう「全社一丸体制」です。その成熟度を測れるのが企業変革支援プログラムです。

 発表されて40年が経過した、「労使見解」は、世の企業家に何を問いかけているのか? 文章すべてを段落ごとに分解しそして22項目に整理したのが企業変革支援プログラムであり、企業づくりを進めるうえで求められる要素を鋭く問いかける経営支援ツールです。

 例会づくりや小グループ活動にぜひとも利用をしていただきたい。『企業変革支援プログラムステップ2』からは無限大の経営テーマを導き出すことができ、深い討論ができるはずです。

 そして地域づくりにも利用してほしい。「中小企業憲章」を閣議決定から国会決議にしていく運動、そして地元の「中小企業振興基本条例」の制定を進めていくうえでも企業変革支援プログラムを活用することは大いに有効です。「目に見えない」経営の要素の成熟度を定点観測しているのが『企業変革支援プログラムステップ1』です。

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「中小企業家しんぶん」 2016年 7月 15日号より