2017年の経済予測

 世界経済見通しでは、10月IMF見通しで2017年3.4%成長。11月OECDは、各国の財政政策で成長率が高まると分析し、0.1引き上げの3.3%といずれも穏やかな成長を予想しています。特に米国は11月に7~9月米GDP改定値3.2%増と速報の2.9%から上方修正し、さらにOECDはトランプ効果5500億ドルのインフラ投資で世界経済は17年0.1、18年0.3の押し上げ効果を見ています。11月欧州委員会の見通しは穏やかな景気回復が続くものの英国離脱や世界貿易低迷など先行きリスク要因が高まっていると指摘、2017年の実質成長率を1.5%と0.3下方修正。新興国では、中国経済は2013年生産年齢人口減少から当分減速すると思われますが、中国国内消費拡大の動きは加速することが予想されます。アジア開発銀行は12月アジア成長率見通しで2016年0.1引き下げ5.6%、2017年は5.7%予想を維持。世界の貿易予想でWTOは、2016年が2.8%増から下方修正し1.7%増。このように世界経済は、経済成長自体は穏やかな3.2%成長の予想(表1)ですが、政治情勢の不安定さと経済の不透明感の増加、トランプ大統領の誕生で不確実な年となり、先進国の貿易量の減少と保護主義からの停滞が懸念されます。

 日本の2017年の見通しは、公共投資4.4%増と輸出2.6%増が牽引しGDP統計変更で設備投資も1.8%増と伸びる一方で消費は低迷0.8%増と見られます。17年の日本の成長予想では、IMFが0.6%成長、OECDが1.0%成長、日銀が1.3%見通し。民間23機関平均予想では1.2%成長と、トランプ旋風で0.1%ほどかさ上げされましたが、日本経済は1.1%から1.2%の低成長が続くものと見られています(表2)。ただ消費の低迷が続くので、BtoCの企業や規模が小さい企業ほど苦戦が続くと予想されます。全業界で見れば反対に毎年1%ずつ市場は縮小すると考えて経営計画をたてることが必要ではないでしょうか。

「中小企業家しんぶん」 2016年 12月 25日号より