各地で定時総会開催~新たな年度のスタート

 4月から5月にかけて各同友会では新たな年度へと舵を切る定時総会が開催されています。今号では、栃木・岐阜・長崎の3同友会の定時総会の様子を紹介します。

【栃木】仲間を増やし共に経営力を向上しよう

鋤柄会長迎え、第32回定時総会開催

 栃木同友会第32回定時総会は、4月20日ベルヴィ宇都宮を会場に開かれ、50名が参加しました。 第一部総会では、昨年度の総括、今年度の方針を提起。2017年度スローガンを「仲間を増やし、共に経営力を向上しよう」、組織方針として、人口1万人に対して10社の会勢をめざし、20年後には、県内1625社会員を目指すことを確認。代表理事に再任された八木仁氏は「理事会を中心に、若い会員の力を生かし、県北、県央、県南の3地域(支部)に計画的に同友会を広げよう」と決意を表明しました。

 第2部記念講演は、中同協会長鋤柄修氏が「同友会で何を学び、どう実践するか」をテーマに講演。鋤柄氏は冒頭、「今日の総会での代表理事の決意が皆さんに伝われば、必ず200名、300名の組織になれる」と栃木同友会を激励。自身が愛知同友会で学び企業改革に取り組んできた経験から、「経営指針を必ず作成し実践しよう」と強調、同友会と自社の経営は不離一体であり、確信を持って前進してほしいとの強い期待を述べました。

 第3部懇親会では、9月14~15日第45回青全交を担当する隣県の茨城同友会から参加への強い呼びかけがあり、栃木からは「30名参加目標で頑張る」とエールを交換。埼玉同友会青年部からの連帯のあいさつもありました。演壇上では新理事、支部・委員会役員による今年度の計画と抱負が述べられ、さらには新年度より就任する新事務局長・理事二階堂英夫氏の決意表明もあり、なごやかな中にも新年度への新たな意欲とパワーのみなぎる総会となりました。

【岐阜】揺るがぬ企業像を示す同友会をめざそう

第46回定時総会

 4月18日、岐阜同友会第46回定時総会が行われ、113名が参加しました。

 総会議事では、中小企業をめぐる情勢変化がますます激しくなっている状況を乗り切るには、5年、10年先を見通し、「自社のありたい姿」を具体化することが求められているという認識から、「揺るがぬ企業像を示す同友会をめざそう」という活動スローガンが掲げられました。

 そして、(1)ますます重要になった同友会の学びを深めよう、(2)企業づくりと同友会づくりを不離一体で進めよう、(3)地域になくてはならない経営者団体をめざそう、の3点が重点目標として提案されました。

 また、同友会が行う経営指針づくりの過程での学び、自社における実践を「揺るがぬ企業」づくりにつなげるため、成文化運動を全県・全組織が積極的に取り組むことを確認しました。

 記念講演は、吉田敬一・駒澤大学経済学部教授が、「激変する世界経済と中小企業~いま世界で何が起きているのか」と題して講演しました。吉田氏はイギリスのEU離脱、トランプ大統領誕生など「まさか」の連続の中で、経営者として日本経済の現状と課題をつかみ、持続可能な地域振興に寄与する同友会運動に確信を持ち、強じんな中小企業を創ることが求められると提起。それには同友会トライアングル(三種の神器)である、「同友会の3つの目的」「労使見解」「経営指針」に基づき、「なくなったらお客様が困る会社」づくりが重要と強調しました。最後に、「経営者が個々に、『よい会社』『よい経営者』『よい経営環境』とは何かを考えること、その先駆者的事例は同友会の中にたくさんあるので、積極的に学び実践してほしい」と話しました。

 懇親パーティーでは、講師の吉田氏に直接疑問をぶつける会員や、名刺交換を積極的にする新会員の姿があり、途中退席する吉田氏から、「若い会員が多い岐阜同友会の未来に期待している」と激励の言葉が送られました。

 また、会員増強功労者および優秀支部の表彰が行われ、記念品に名前入りの「枡(ます)」が送られました。

【長崎】私たち中小企業家が長崎県を牽引していく

第46回定時総会

 長崎同友会は4月18日、会員約170名の参加で第46回定時総会を開催、冒頭松尾慶一代表理事より期首600名の会勢を突破した報告がされ、第4次ビジョンでもある1000名会員達成を参加者と確認しました。

 議案に関しては滞りなく審議が進み、引き続き代表理事として大きな旗を振る松尾慶一氏から「私たち中小企業家が長崎県を牽引していく!~経営を極めていく企業家集団 会勢730名を達成しよう~」という2017年度スローガンのもと、10の活動計画を共有し、全会一致で活動方針案も承認されました。

 第2部では熊本同友会の早咲京子代表理事から、「失敗を糧に 悔しさをバネに 苦しみを優しさに変えて ~100年後の元気な熊本の未来を創る~」のテーマで記念講演がありました。熊本の震災から1年が経過し、震災を受けて見えたもの、同友会として、地域に根ざす中小企業としての役割、また今後多様性を認める社会づくりへの覚悟など力強い講演に耳を傾けていました。

 懇親交流会では8支部から今期の活動アピールがなされ、島原支部の敷島広太氏((有)シキシマ代表取締役)が作詞・作曲した「同友会の歌」を披露するなど盛会のうちに幕を下ろしました。

 2019年全研開催を控える長崎同友会。その大成功に向けシュプレヒコールもあり、また、今回第3版となるポスターの披露など、対外的な情報発信と同時に会勢を伸ばし地域になくてはならない、選ばれ、頼られる企業づくりと同友会づくりに継続して取り組んでいくことが確認された定時総会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 5月 5日号より