田川支部(福岡)が設立

炭鉱で日本経済を支えたかつての明るい街を取り戻すために

 福岡同友会は4月10日、21番目の支部として田川支部設立総会を開催しました。田川は筑豊地区の一つで、かつて炭鉱の街として、映画「青春の門」で話題となった街です。閉山後、人口は半分以下に落ち込み、石炭に代わる産業はなく、大企業もなく、中小零細企業のみで街を支えてきました。

 現在、筑豊地区では、飯塚市、直方市、田川市において中小企業振興基本条例が制定され、条例に基づいた街づくりをどう進めるかを行政と一体となり進めています。昨年、筑豊地区会支部合同例会で経済学者である藻谷浩介氏が「筑豊地域の中小零細企業の未来を拓く」というテーマで講演しました。田川の町は日本の平均より高い出生率なのに、20歳を超えると町から忽然(こつぜん)と人がいなくなるのです。子どもを育て大きくなったら大都市へ送り出す。そして、年寄りのみが町に残っているということでした。

 そこで、われわれ田川支部会員は、地域を支える中小企業家として、地域の子どもたちを育て、地域に残ってもらうためには何が必要かと考えました。

 田川支部のスローガンを「地域と共に育つ企業づくり~人を生かす経営が地域を支える企業となる~」として、ブロック会を3つに分け目的別に組織しました。(1)経営指針担当ブロックで、会員の指針書作り100%を目指します。(2)地域教育担当ブロックで、学校との取り組みを主にキャリア教育を推進します。(3)産業振興担当ブロックで、中小企業振興基本条例に基づいて設置された産業振興会議に積極的に参加して地域づくりを目指します。また、支部会員は1人が1人運動を実施して、地域とともに活動する仲間を増やす活動をします。

 私たち、中小企業の経営者が、地域を過疎化させるか、街を活性化させるかの運命を握っています。地域の経営者が同友会理念に基づいた経営をすることにより、地域を支える同友会となるように活動していきます。

福岡同友会田川支部支部長 (株)さくらトータルライフ 代表取締役 堀 弘道

「中小企業家しんぶん」 2017年 5月 5日号より