金融機関、支援機関と連携し経営課題の解決へ~中小企業支援機関活用塾【沖縄】

 沖縄同友会那覇支部は、11月1日、沖縄海邦銀行との包括連携協定1周年記念行事として、沖縄同友会・沖縄海邦銀行・沖縄県よろず支援拠点を主催とした中小企業支援機関活用塾を開催し、相談者・アドバイザー含め78名が参加しました。

 第一部の活用塾は、売上アップ、販路拡大など経営課題ごとにグループを分け、2回のグループ相談を通して課題解決のヒントをつかんでもらうことをめざしました。アドバイザーは主催3者から1名ずつ選出。よろず支援拠点の専門的な視点、同友会の先輩経営者としての視点、金融機関の視点が組み合わさることで、より実践的な相談対応となりました。

 また、第2部の懇親会は会場近くの居酒屋で行われ、40名を超える参加で会場は満員。膝を突き合わせながら今後の展望を熱く語り合う姿が随所で見られるなど熱気があふれていました。感想の交流では、よろず支援拠点の上地チーフコーディネーターからの「今回の一番の収穫は経営課題解決に向けたネットワークが広がったこと。これは貴重な財産となる」とのコメントは特に印象的で、会場からは大きな拍手が巻き起こりました。

 参加した相談者からは「2回に分けて相談を行えたので多角的に経営課題を考えることができた」「相談者同士も意見交換が行えたのでよかった」との感想があり、アドバイザーからも「他の支援機関の視点を学べた」など、好評の意見が多く聞かれました。

 今回の取り組みでは、相談者がその場で同友会への入会を決める、よろず支援拠点のコーディネーターも同友会の魅力を体感し入会希望者が出るなど、会員増強に生かせたことが大きな収穫でした。

 また、政策活動の視点から見ると、中小企業憲章が閣議決定され、条例も各地で続々と制定されているなか、「自社との関わりが見えづらい」「中小企業の声を取り入れて施策をつくっても、周知がうまくいかず活用されない」などの課題が指摘されてきましたが、今回のように中小企業庁直轄の組織であるよろず支援拠点と連携した合同経営相談会の形をとることで、行政の敷居が下がり相談しやすくなるといった効果も生まれました。また、今回は経営相談に特化した取り組みでしたが、これを応用して、「経営課題に応じた行政の支援策紹介」「他の支援機関との連携に生かす」など、新たな可能性も出てきています。

 初めての取り組みということで多くの課題も残りましたが、それ以上に収穫のある有意義な取り組みとなりました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 12月 15日号より