地域でつなぐ食と農の未来 3団体共催で食農連携セミナー開催【秋田】

 秋田同友会は11月14日に(株)日本政策金融公庫秋田支店と若手農業経営者団体「農Future!!」と共催で「地域でつなぐ食と農の未来」をテーマとする食農連携セミナーを開催しました。農業経営者や加工販売会社、飲食店、金融機関など多彩な顔ぶれが集まり、62名が参加しました。

 開会あいさつは、日野亨秋田同友会代表理事が「3団体の共催でのセミナー開催は初めてです。お互いに協力・連携を進めていきましょう」と期待の言葉を述べました。

 次に、「北海道しりべしフードフェスティバルの23年間に学ぶ食農連携の事例」をテーマに、公益社団法人全日本司厨士協会小樽支部支部長で、ホテルノイシュロス小樽の総支配人・総料理長の兼崎義明氏(北海道同友会会員)が講演しました。兼崎氏はホテルノイシュロス小樽で総料理長になった経緯からその後の経営について細かに報告。特に、全日本司厨士協会小樽支部が行う「しりべしフードフェスティバル」などの催しのなかで地元農産品を活用する機運が生まれ、農家との交流が自社の魅力をより磨くことにつながったという講演は参加者の立場を超えて共感の輪がひろがりました。

 講演の後パネルディスカッションが行われ、(有)たかえん代表取締役の高橋基氏(秋田同友会会員)、(有)今野農園代表取締役の今野克久氏、兼崎氏の3名をパネリスト、農Future!!代表で(有)ライスロッヂ大潟代表取締役の黒瀬友基氏(秋田同友会会員)がコーディネーターを務めました。大きさや形が「規格外」の野菜の廃棄や農家と加工業者とのお互いに求めているものを伝える難しさなどの本音が話され、その課題をもとに前に進めていこうという熱い思いが語られました。

 その後の懇親会では、澤武宏宗・日本政策金融公庫秋田支店農林水産事業事業統轄が開会あいさつ。参加者は和やかに語り合いました。最後に、パネリストを務めた高橋氏が「農業と流通、加工、商業が交流を重ね連携を進めていくことで農業とともに豊かな秋田県の経済をめざしていきたい」とまとめ閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2017年 12月 25日号より