世界の最低賃金―日本は第12位

 OECDが世界各国の最低賃金を公表しています。2016年度の各国の最低賃金(表)を見てみます。

 全体では、オーストラリアが1位で時給1,456円にもなります。2位はルクセンブルクで時給1,355円、第3位はフランスで時給1,198円、第4位はニュージーランドで時給1,176円、第5位にイギリスで時給1,154円です。つづいてアイルランド、ベルギー、オランダ、ドイツなどが続きます。

 オセアニアの国は比較的最低賃金が高く、フランスをはじめとしてEUの国が続いています。しかしおなじEUでもスペインは470円の16位、ギリシアは414円の第17位、ポルトガルの381円と低くなっています。フランスとポルトガルでは約3倍も最低賃金が違うことになります。

 一方日本においては、2016年における日本全体の最低賃金の平均ですが、世界と比較すると第12位の750円となっています。これは、1位のオーストラリアの約半分です。アジアなどの人件費と比較すれば高いという見方もありますが、オセアニアやEUなどの国と比較すると、日本の最低賃金の低さに驚きを感じます。

 また、アメリカは第11位の806円です。隣国のカナダは10位で952円、メキシコは30位で67円。アメリカとメキシコの最低賃金の差は約12倍です。メキシコからアメリカへの移民もこの賃金差では理解できます。

 三菱東京UFJ銀行が2017年4月に発表したアジア・オセアニア各国の賃金比較で月額法定最低賃金を見てみます。2017年で、中国・上海が月額346ドル、タイ・バンコクで月額266ドル、インドネシア・ジャカルタで月額258ドル、フィリピン・マニラで月額256ドル、マレーシアで月額247ドルとなっています。ベトナムで月額168ドル、カンボジアで月額153ドル、ミャンマーで84ドルとなっています。

表 2016年度各国の最低賃金

「中小企業家しんぶん」 2018年 3月 25日号より