学童プレハブマイナス6℃作戦【岡山同友会環境委員会】

 岡山同友会環境委員会では、2014年当時、新しい環境ビジネスにつながる異業種の知恵と経験の交流について議論を重ねていました。そこで着目したのが学童保育の施設環境整備の遅れであり、学区のコミュニティ協議会や学童保育運営委員会、NPOなどと連携して「学童プレハブマイナス6℃作戦」に取り組むことになりました。資金は、県の「多様な主体の協働による地域支援事業」の認定を得て補助金で賄いました。

 簡易なプレハブ工法による施設は児童にとって決して快適とは言えず、とりわけ夏には天井裏が50度にも達するなど厳しい環境下にあります。現場を調査したメンバーは、天井裏換気システムをはじめ、ゴーヤのグリーンカーテンや遮光シート、打ち水に使う雨水タンクなどを設置。児童にも温度測定やゴーヤの水やりなどで協力してもらうことで、楽しみながら身近な環境問題に対する関心を広げることができました。

 たまたま2014年の夏は天候不良が続いたため、検証では十分な効果を示すデータを得るまでに至りませんでしたが、取り組みは大きな注目を集め、低炭素杯2016(低炭素杯実行委員会主催)では審査委員特別賞を授賞、2017年には本事例がきっかけとなって倉敷市でも学童保育教室の木造化が実現するなど、全国的に見ても先駆的な事例となりました。

 この取り組みに協力した学童クラブには、その後環境委員会が設置され、現在は自主的な活動に引き継がれています。

「中小企業家しんぶん」 2018年 4月 25日号より