人間尊重の経営をめざし、経営者と社員が語り合う【京都】

京都北部地域会「社員と共に学ぶ例会」を開催

 京都同友会では「府北部経済圏に同友会活動を拡げる」との方針を掲げ、1980年代に丹後支部・舞鶴支部・福知山支部の3つの支部を設けました。会員数は3支部併せて現在、160名を擁します。

 高速道路網が整備されたとは言え、京都市内からは遠隔地にあり支障なく会活動に参加できる条件にはありません。そこで北部地域独自に専門委員会、経営指針成文化委員会を設け、経営労働や社員共育・求人活動、経営指針の成文化と実践に対応する活動を行っています。

 3支部が所在する地域もそれぞれに独自性がありますが、かつて栄え潤いをもたらした地域産業が衰え、人口減少や高齢化で先行していることは共通しています。また特に人材確保は年々深刻な経営課題になってきており、「外国人労働者」でも解決できないと言い切る経営者もいます。

 そうした課題がある中、5月18日、綾部市中央公民館にて「社員と共に学ぶ例会」を開催しました。当日は26社から60名(内社員参加35名)の参加がありました。

 冒頭、足立佳紀専門委員会委員長は「同友会は労使間の強い信頼関係に裏打ちされた人間尊重の経営をめざしている。本日は働きがい・やりがいを切り口に経営者と社員が企業・業界・年齢・キャリアの枠を越え、あてにしあてにされる関係づくりについて共に考える貴重な機会である」と目的を述べ、続いて3社の社員から「私の働きがい・やりがい」について体験報告があり、グループ討論で深めました。さまざまな会社の入社1カ月の新入社員から20年のベテラン社員まで本音の思いをたたかわせて討論は進みました。

 経営者からは「世間では休日や給与額などの条件で就職先を決めていると言われるが、参加している社員の皆さんは『現場仕事をしたい、製造業に就きたい』と希望を持ち就労している。新発見であり、感銘を受けた」「仕事の面白さ、会社の雰囲気、将来性の3つがやりがいの大きなウェイトを占める。反面、待遇に関しては諦めがあり、夢を見ることができる企業づくりが使命であると感じた」。

 また社員からは「会社とともに自分も育ちたい」「働きがい・やりがいは会社に与えられるものではなく、自分で見つけ掘り下げ、実践することであると再認識しました」など多くの感想や決意が寄せられました。

 終了後、参加者からは「このような機会を多く設けてほしい」「次回は社員と参加したい」との切なる希望が聞かれました。

「中小企業家しんぶん」 2018年 6月 25日号より