共に育つの理念にもとづく社員共育の取り組み 豊富な社員教育プログラム【岡山】

岡山同友会社員教育求人委員会では、「社員共育大学」「幹部社員大学」「同友会大学」の3つの柱を軸に社員教育活動を行っています。

社員共育大学は主に入社2?3年目の若手社員を対象に、全8回の講義を行います。各回のテーマは「何のために働くのか」「さまざまな視点でモノを捉える」「リーダーシップとメンバーシップ」など、仕事のテクニックではなく、1人の人間としてものの見方や考え方を確立していくことを目的に掲げています。

参加者が急増したため、2012年からは岡山会場に加えて倉敷会場も設けました。第20期となる今期は、31社から90名の社員が参加しています。

幹部社員大学は、経営指針書に基づいて経営者と一体になって主体的に事業に取り組む幹部の育成を目的にしています。参加は1社につき幹部社員1名に限定し、6カ月にわたって「自分の生き様を振り返る」「経営理念を理解する」などのテーマで学びます。毎回宿題が課され、担当部署の部下と意見交換した内容を議事録にまとめることなどが求められます。ハードルは決して低くありませんが、経営幹部としての自己の生き方と企業の方向性を重ね合わせて考えられる内容になっています。

経営者が参加することが条件

社員共育大学と幹部社員大学は、「共に育つ」という考え方に基づき、いずれも経営者も一緒に参加することが受講の必須条件となっています。なぜなら、両大学は決して社員だけのためにあるのではなく、経営者にとってもさまざまな気づきと学びの場でもあるからです。

経営者は月に1回の事前打ち合わせにも参加し、前回の気づきと反省を総括するとともに、次回講義の内容を検討します。「グループ長と発表者の心得」なども用意し、限られた時間で最大の気づきを得るための工夫をしています。また、両大学ともにグループ討論を必ず行い、本音の議論を保証するために同じ会社の経営者と社員は別のグループに入ることを原則としています。

地域にも「共に育つ」を

同友会大学は、経営者・幹部社員・一般社員などを対象に、主に経営の「科学性」を身に付けることを重視しています。講師には県内外の大学教授や研究者を招き、情勢や経営戦略など経営に直結したテーマが充実しています。通期受講以外に1講義のみの単独受講も可能で、毎年参加する受講生が多いのも特徴です。

また岡山同友会は、地域で「共に育ちあう土壌をつくる」ことを目的に、年に1回の教育(共育)講演会も実施しています。運営費用は会員の協賛広告で賄うため参加費は無料。一般市民も含めて、例年300人から500人前後の参加があります。今年は第26回講演会を10月26日に開催しました。

ほかにも、岡山大学経済学部への提供講座「現代中小企業論」や、県立小・中学校の主幹教諭の企業研修受け入れなどにも取り組み、広く会内外に「共に育つ」という理念を伝えています。

「中小企業家しんぶん」 2018年 11月 5日号より