【気象データのビジネスへの利活用】第1回 気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)より

 産業界での「気象データ」活用を推進する活動を行う「気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)」について、気象庁からの寄稿を全3回の連載で紹介します。

 最近ではIoT、ビッグデータなどの技術発展により、データを収集・分析する基盤が整いつつあります。

 天気や気温に代表されるように、気象は毎日の人の行動や生産活動に大きく影響を与えるので、各企業が持つ貴重なデータと気象データを比較し分析することで、毎日の意思決定や業務プロセスを改善・効率化し、各企業が生産性を向上させることが期待されます。しかし「平成27 年度版情報通信白書(総務省)」では、気象データの活用企業は1・3%と少ないことが分かります(図)。

 人口減少時代を迎える中、気象庁としても生産性向上に取り組むべく「気象ビジネス市場の創出」を進めており、WXBCはそのような背景を受け、気象業界に加えて、農業、小売、情報通信、サービス業など各業界の企業や知見ある学者が集結し、2017 年3 月に設立された組織です。WXBCでは、WXBC会員と気象庁が連携し、例えば気温や湿度といった気象のデータの価値や扱い方を学べるセミナーや実習を開催する他、気象データを有効活用した各分野での実際のビジネス事例を学べ、自社ビジネスのヒントにできます。

 今年度は新たな取り組みとして、ベンチャーや中小企業を含む「第1回気象ビジネスマッチングフェア」を11月30日に開催し、一層の企業間連携及び気象データ活用の裾野拡大にまい進しています。活動の詳細はWXBCのHP(https://www.wxbc.jp/)をぜひご覧ください!

気象ビジネス推進コンソーシアム(WXBC)事務局(気象庁総務部情報利用推進課 気象ビジネス支援企画室)

「中小企業家しんぶん」 2018年 12月 5日号より