トピックス

共同求人活動で地域の未来を切り拓こう~採用と教育を一体として

2018年度共同求人活動から

求人・就職活動の動向

 2018年10月の有効求人倍率は、1.62倍で昨年同時期より0.07ポイント上昇し、昨年に引き続き、高い水準となりました。リクルートワークス研究所の大卒求人倍率調査では、大卒求人倍率は1.88倍で7年連続上昇、規模別で見ると従業員数300名未満の企業では9.91倍で昨年の6.45倍から3.46ポイントも上昇して過去最高となっています。一方、5000人以上の企業では0.37倍で、従業員規模間の倍率差は拡大しており、中小企業にとって採用難が加速している状況が伺えます。また、全国の民間企業の求人総数は81.4万人、学生の民間企業就職希望者数は、前年42.3万人とほぼ同水準の43.2万人で38.1万人の人材不足となっています。

 2018年3月に大学を卒業した学生の就職率は77.1%と8年連続で上昇し、前年度より1.0ポイント上昇しました。このうち正規雇用は74.1%でした。大学卒業者約57万人のうち、「正規の職員等でない者」「一時的な仕事に就いた者」および「進学も就職もしていない者」を合算すると約6万5000人。これらの安定的な雇用に就いていない者の卒業者に占める割合は、11.5%で昨年より1.1ポイント低下しました(文部科学省「平成30年度学校基本調査(速報値)」より)。

 Jobway参加企業は1119社(前年比89.2%)、各同友会が開催した合同企業説明会の参加企業数はのべ2455社(同89.6%)とともに減少しました。一方登録学生数は1万362名(同157.2%)と8年ぶりに増加しましたが、合同企業説明会への来場学生数はのべ5453名(同88.8%)となり、近年の来場者数減少に歯止めがきかない状況です。

Jobway登録企業・学生数の推移と大卒求人倍率

若者に選ばれる企業へ~法令等への対応

 昨年に引き続き、近年の法改正にあたっては、委員会や担当事務局員研修などで学習を重ね、法令遵守への対応を図りました。それに加え、中同協や各同友会が「求人情報提供事業者」に該当すること、現在はインターネットでの就職活動が主になっていることなど学校や学生への信頼を担保するため、「求人情報提供ガイドラインに係わる適合メディア宣言」制度への運用を行うことを委員会で確認し、2019年3月からの実施を予定しています。これを機に労働環境の整備を改めて確認し、よりよい企業づくりをめざすことを目的としています。

「採用選考に関する指針」の廃止

 10月9日、経団連が「採用選考に関する指針」を2021年春入社の学生から廃止するとの発表を受けて、今後の「就活ルール」のあり方について(1)一定のルールの存続、(2)学生の立場に立ったルールづくり、(3)中小企業の意見の反映の3点を会長談話として発表しました。

 また、共同求人委員会と社員教育委員会は今年で2回目となる文部科学省、厚生労働省、経済産業省との情報交換会を開催し、地域連携や社員教育について意見交換を行い、今後も定期的に情報交換会を設けることを相互に確認しました。

産学連携の広がりと各地での取り組み

 各同友会では、共同求人活動の理念を会内外に広めるためにさまざまな活動が展開されました。8月に行った共同求人活動に関する調査によると大学などと協定を締結しているのは27同友会で47校、また多くの同友会では学生に働くことの意味や中小企業の役割・魅力を伝えるキャリア教育などが継続的に取り組まれています。また、学内行事への講師派遣やインターンシップへの協力、高校では教員との懇談会など地域に若者を残し、地域で若者を育てる同友会の活動は、地域からの期待をますます高めています。

 広島同友会呉支部では、高校生と保護者を対象とした就職ガイダンスを初めて開催しました。約30年にわたり、高校の教員の企業見学や経営者の懇談会を続け、呉市内の高校からは「同友会の企業なら安心して送り出せる」と評価されるまでになりました。今回の就職ガイダンスの開催は、呉の中小企業を高校生にも保護者にも知ってもらうこと、呉で暮らし、呉で働くきっかけにしていくことを目的としています。企業にとっては、地域の中で自社の存在意義を見つめ直す場となっています。

 7月に宮城で行われた中同協第50回定時総会では、「同友会らしいインターンシップとは」をテーマに山形同友会が分科会を担当。山形大学との連携で主に1年生を対象とした短期インターンシップの取り組みを報告しました。早期から職業観を醸成し、学習意欲を高めること、知名度や企業規模だけで進路決定しないよう視野を広げることをなどを目的に実施しており、今年初めて行われた文部科学省が主催するインターンシップフォーラムで最優秀賞を受賞しました。

人を生かす経営の総合実践を

 9月13~14日に宮崎で開催された第6回人を生かす経営全国交流会には43同友会・中同協から542名が参加。「『人を生かす経営』の総合実践で、『地域のインフラ』を担う~めざす姿を描き、育ちあう地域をつくろう~」をテーマに学びあいました。

 2日目の各委員長の行動提起で小暮恭一・中同協共同求人委員長は「多くの会社が共同求人に参加してもらえる活動であるためには、共同求人活動の本質的な意義を知ってもらうことが大切。雇用を継続するということは、世代交代を繰り返しながら生命を継続することです。共同求人活動は世代をつないでいくという意味で最大の社会貢献であり、また地域を担う大切な活動です。このためにも、私たちは選ばれる会社にならなければなりません」と提起しました。

 人口減少が進み、人材不足が問題となっている今、地域づくりが重要な課題です。若者が暮らし、育つことができる地域をつくるのは中小企業にしかできないことです。新しい仕事をつくり、雇用を創出することが地域経済の発展にもつながります。共同求人は人を育て、企業を育て、地域をつくる運動です。共同求人活動の理念を全国に広げ、地域と中小企業の未来を切り拓いていきましょう。

「中小企業家しんぶん」 2018年 12月 25日号より

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