中小企業の実態と事業承継の状況

 中小企業庁より平成30年度中小企業実態基本調査の速報が出されました。中小企業の売上高や経常利益、付加価値額、経営指標、従業者数など幅広く調査しています。中小企業の法人企業1社あたりの売上高は約3億4000万円、経常利益は約1,271万円で利益率は3.7%、従業員数は16人あまりです。労働分配率は約68%、自己資本比率は40.47%でした。まずは自社と比較してはいかがでしょうか。

 さて、事業承継の状況の調査もありました。社長の年齢別では、20代~50代の合計で34.5%。60代で32.5%、70代で26.1%、80代以上で7.0%となっており、60代以上で65.6%にもなります。内訳でみると60代以上の社長が法人企業で56.6%、個人企業で73.1%となっています。

 事業承継の意向をみてみると、「親族内承継」が25.9%で、「役員・従業員承継」が4%で、そのほか何らかの事業承継を考えている企業の合計は32.9%と3社に1社となっています。「事業を継続するつもりがない」が29.1%と3割弱にも及びます。さすがに法人企業では12.3%ですが、個人企業になると43.1%と4割以上が今後事業を継続しないと回答しており驚きです。「今はまだ事業承継について考えていない」は全体では35.5%ですが、法人企業では40.1%となっており、法人企業の4割が事業承継を検討していないことになります。

年齢別経営者比率・事業承継の意向

「中小企業家しんぶん」 2019年 4月 25日号より