中小企業の海外展開の状況

 中小企業庁の平成30年度中小企業実態基本調査の速報では、中小企業の海外展開の状況を調査しています。人口減少や大企業の海外移転による空洞化など国内需要の減少や先行き不透明感から、アジアを中心とした新興国の需要を取り込むことや国内の人材不足から技能実習生や外国人労働者の受け入れなど、中小企業において海外展開や国際化への対応などが広がってきています。政府も中小企業の海外展開についてさまざまな施策を実施し、拡大しようとしています。

 中小企業の海外展開をデータで見ると、まだまだ進んでいないことがわかります。中小企業実態調査での法人企業は約145万社。そこで「海外に子会社、関連会社または事業所がある」と回答した企業は1万3,889社で0.95%、約100社に1社となっています。50人以下の企業の約139万社で7,509社、51人以上の企業6万7,975社のうち6,380社となっています。51人以上の企業になると約10社に1社弱(9.4%)の企業が海外展開していることになります。海外展開をしている企業では、やはりアジアに進出しているケースが多く、子会社でいうと、1万2,659社のうちアジアが9,953社と78.6%となっています。

 中小企業が海外展開することはまだまだハードルが高い状況ではありますが、輸出入など海外市場との取引、外国人旅行客や外国人労働者など国際化への対応は重要となっています。

中小企業の海外展開の状況

「中小企業家しんぶん」 2019年 5月 25日号より