同友会の歩みと事務局の役割【中日本ブロック事務局研修会】

 4月24日、中同協中日本ブロックは愛知同友会事務局で、中日本ブロック事務局研修会を開催し、4同友会から21名が参加しました。

 研修では、「中同協50年史を編纂して~時代と共に歩む事務局員像」をテーマに国吉昌晴・中同協顧問が報告しました。国吉氏は編纂中の『中同協50年史』に携わり感じたことや「同友会運動の歴史区分と理念形成のあゆみ―事務局の役割と足跡―」として同友会の歴史を振り返り、その時代に事務局員が果たしてきた役割などを報告しました。

 事務局の役割について、1970年代は「(1)会員の要望、同友会に望んでいることの正確な把握、(2)会員増強、(3)経営判断能力、業界・景況の見通し、地域への認識を深めること」に重点が置かれ、1980年代では各専門委員会の確立から同友会運動が多様化し、全国の優れた情報を集め、地域に生かす機能が重視されました。1990年代から現代にかけては、組織が停滞する要因について同友会活動の一つひとつを洗いなおすとともに、同友会らしさとは何かと自身に問いながら活動の再創造に取り組むことが求められているとまとめました。

 また、事務局の役割を示す象徴的な言葉として、「事務局長の任務と役割は何なのか、シナリオライターであり、演出家であり、コーディネーターであり、アジテーターであり、オルガナイザーであり、教育実践家であり、経営者であり、更には哲学者であり、芸術家であり、文筆家であり、経済学者であり、さまざまな要素が必要だと思うのです」と故大久保尚孝氏(元北海道同友会専務理事)の言葉を引用し、これからの事務局員への期待を述べました。

 報告の後、質疑応答を行い、入局3年未満の若手事務局員を中心に交流しました。

 専門的な知識ばかりではなく、会員から信頼され、あてにされる事務局員になることが大切であり、事務局員それぞれの人間力を高めることが同友会の発展につながることを確認した研修会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2019年 5月 25日号より