【統計データを見る】開業・廃業の動向

 中小企業庁が発表した2019年版「中小企業白書」では、厚生労働省「雇用保険事業年報」を用いて開業・廃業の状況をまとめています。

 2017年の日本の開業率は5.6%。国際的にみると、開業率ではフランスで13.2%、イギリスで13.1%、ドイツでも6.7%となり、日本の開業率は低い水準であることがわかります。日本における廃業率はいうと3.5%。諸外国ではイギリスで12.2%、フランスで10.3%、ドイツで7.5%となっており、廃業率においても低い水準であることがわかります。

 しかしながら、(株)東京商工リサーチの「休廃業・解散企業動向調査」を見てみると、2013年は休廃業・解散で34,800件から2018年には46,724件と増加しています。白書では「経営者の高齢化や後継者不足を背景に休廃業・解散企業は年々増加傾向」とまとめています。一方、倒産件数では10,855件(2013年)から8,235件(2018年)と減少しています。国際的に比較して開業率も廃業率も低い水準となっていますが、休廃業が今後も増加傾向が予測されます。

 都道府県別開廃業率(表)をみてみると、開業率では沖縄が9.3%と最も高く、埼玉が7.4%、千葉が7.2%、神奈川が7.1%となっており、首都圏が比較的開業率が高いものの、東京が5.9%となっています。廃業率では、富山で4.3%、大阪が4.2%、茨城で4.1%となっています。廃業率が開業率を上回る県もあり対策が急がれます。

表 都道府県別開廃業率

「中小企業家しんぶん」 2019年 6月 25日号より