「障害者の経済学」中島隆信教授が講演【中同協障害者問題委員会】

 8月2日、東京で中同協障害者問題委員会が開催され、26同友会から48名が参加しました。

 はじめに、委員会体制として、昨年と同様に比嘉ゑみ子氏を委員長、また、副委員長の今後の体制などについて確認しました。

 次に、10月17~18日に滋賀で開催される第20回障害者問題全国交流会の概要が紹介され、2021年度の第21回の開催に埼玉同友会が立候補しました。

 その後、全国行事として7月に行われた第51回定時総会の分科会、来年2月に京都で開催される第50回中小企業問題全国研究集会の概要を報告しました。また、5年に1度発表されるサンプル調査の平成30年度障害者雇用実態調査の結果を紹介し、5~29名、30~100名規模の企業における障害者雇用の貢献を確認しました。

 講演として「障害者の経済学~中小企業にできること」をテーマに慶應義塾大学教授の中島隆信氏が報告しました。中島氏は経済学の視点で障害者雇用の課題を読み解き、大企業における障害者雇用や就労継続支援A型事業所の制度上の問題点などを指摘。これまでの大企業の障害者雇用モデルは曲がり角にあり、新しい技術と発想で現場の仕事を作り出す中小企業こそ障害者雇用のリーダーになってほしいと中小企業への期待を述べました。

 講演を受け、グループ討論を行い、「法定雇用率などの数字ではなく、人を生かす経営の実践として障害者雇用を進めていくことが大事」「障害者を理解してもらうことを広げていく。そのために、障害者問題を進める仲間を増やしていくことが重要」などの意見がありました。

 最後に、比嘉委員長は「人を生かす経営を実践していくという本筋から逸れないことが重要です。国には中小企業が障害者雇用をしていることを軸に、政策を展開してほしいと思いますし、私たちが声をあげていくべきです」とまとめました。

「中小企業家しんぶん」 2019年 8月 25日号より