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4割を超える企業で「景気動向の見極め」「情勢分析資料」として活用!

【DOR(同友会景況調査)活用アンケート結果報告】

 中同協では30年の節目を迎えるにあたりDOR(同友会景況調査)の回答企業を対象に活用アンケートを実施し、集計結果をまとめました。アンケートは2019年1~3月期と並行して実施し、47同友会から578件の回答がありました(配布数2,397件、回答率24.1%)。その結果を紹介します。

 1989年に設立された中同協企業環境研究センター(当時の名称「景気・産業構造動向調査研究会」)の活動の一環として、翌年1990年から約30年、四半期に1度実施されてきたDOR。同友会運動に理解の深い研究者の協力のもと、回答企業の経営実践の一助となることを想定して調査票や報告書などが作成され、会員の経営実態に基づく調査活動が展開されてきました。

「役に立っている」と回答、4割から6割に

 「DORは経営上役に立っていますか」という設問に対して、「役に立っている」と回答した企業は61.2%、「どちらでもない」が23.2%、「役に立っていない」は15.4%でした。2000年10~12月期に同様の内容で実施した際、「役に立っている」と回答したのは38.7%でしたので、9年で20%以上も上昇しました。調査開始から18年が経過し、活用の仕方も少しずつ定着してきたようです。(図1)

 一方で、4割近い人が役に立っている実感が持てていないという現状もあります。記述回答の「活用方法がよくわからない」といった意見などを参考に、より活用できる資料となるよう改善が必要です。

回答企業の半数が 「景気動向の見極めに活用」

 「注目している景気項目」については、「国内景気」82.2%、「自業界の景気」46.5%、「世界景気」32.3%が上位3項目となりました。

 また、「DORの活用目的」について指摘の多かった項目は、「景気動向を見極める」が50.1%、「情勢分析の資料とする」が44.3%、「同業他社の業況の確認」が24.6%、「自社ポジションの理解」が22.8%、「事業計画を立てる上でのバックデータ」15.8%でした。2012年の調査時と比較すると、「景気動向を見極める」、「情勢分析の資料とする」の割合がいずれも約10%高まっています。(図2)

 「DORの活用場面」は、「幹部との話し合いで活用」が41.8%、「取引先や顧客との話し合いで活用」が33.9%、「金融機関との情報交換資料として活用」が26.2%、「同友会の活動に活用」24.7%という結果となりました。「行政との話し合いで活用」も7.3%ありました。

 2012年時調査との比較では、「金融機関との情報交換」「行政との話し合い」の指摘が増え、外部との懇談の際に活用される場面が増えていることが分かりました。(図3)

経営に、同友会活動に 景況調査の活用を!

 記述回答に「活用方法がよくわからない」という指摘があったと紹介しましたが、その問いのヒントになりそうな活用方法も寄せられました。主には、「経営の振り返りのきっかけ」「計画立案、修正、先行きを考えるきっかけ」「自社ポジションの確認」「マクロの動きをつかむ」「DOR報告書を読む」「会員として身近に感じられる資料」「経営者の生の声が聞ける」「マネジメントのレベルを上げる」という内容に整理することができます。(囲み記事参照)

 寄せられた具体的な活用方法から、調査票への回答自体を経営の点検として活用し、調査結果から自社の立ち位置の把握や計画修正の資料としての活用、取引先や顧客、金融機関との協議資料として活用するなど、経営上のあらゆる場面で生かせることが分かりました。

 地域の景況をつかむため、現在29同友会で独自に景況調査を実施しています。全国のデータと比較することで地域の傾向を知るきっかけにもなり、データをもとに意見交換をすることでより具体的な同業他社の傾向をつかむことができるなど、さらなる活用の可能性もひろがります。

 また、中小企業団体が実施する景況調査という側面から、会員企業の現状を客観的に示すデータとして同友会活動に生かしたり、行政などの関係機関との懇談の資料として活用しているという声もありました。

 景況調査は、同友会がめざす企業づくりを調査を通じて「見える化」して確認し、共有するツールともいえます。経営実践、活動実践の中で活用し、ともに活動する仲間を増やし、企業づくり・地域づくりにつなげ、発展させていくことが期待されます。

(※なお、2019年7月4日の中同協第51回定時総会第11分科会で、活用事例報告(建都住宅販売(株)代表取締役、京都同友会常任相談役・井上誠二氏)と、DOR調査票設定の狙いや、DORのこれまでについて(立教大学名誉教授・菊地進氏)、が報告されました。当日の様子は10月25日発行予定の「中同協第103号」に記録されています。併せて参照ください。)

DOR活用法―アンケートに寄せられた声より

経営の振り返りのきっかけ

・DORに答えるために月次決算を集計して3カ月ごとに自社の定点観測に使うようにしている(愛知)
・回答する機会を与えられていることで、立ち止まって自社の経営について考えることができ、ありがたい(東京)

計画立案、修正、先行きを考えるきっかけ

・経営指針作成に向けての業況分析(福岡)
・四半期の計画修正や目標達成に向けた考え方の整理になっている(滋賀)

自社のポジションの確認

・回答することにより、自社の立ち位置、課題が明確になる(福島)
・調査票はWEBでなく紙への回答なので、より数値データを意識するようになった(愛知)

マクロの動きをつかむ

・震災やリーマンショックなど、経済に大きな影響を与える出来事が起った時などは特に動向を確認する上で役に立っている(群馬)
・業界のみならず、各業種、業態が理解できる。時代の変化が見えることが大きな学び(宮城)

「中小企業家しんぶん」 2019年 9月 15日号より

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