「採用の手段としない」インターンシップ22年目、19大学113名受け入れ【愛知】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】

 愛知同友会では1998年より毎年、大学生のインターンシップに取り組んでいます。採用の手段にしないことにこだわり、働くことの意義や中小企業の魅力を伝えることで、学生と企業双方の学びの場となっています。

 今年度は19大学から113名の学生が参加し、会員企業49社と同友会事務局で2週間の研修に臨みました。8月21日、研修初日に開催したキックオフセミナーでは、企業・大学・学生の総勢193名が一堂に会しました。

 まず、昨年度研修に参加した学生が、「働くことのイメージが前向きに変化した」と報告。

 その後、宇佐見孝氏(宇佐見合板(株)代表取締役)が「働くとは何か」「インターンシップの意義」について、「自分は将来どんな仕事に向いていて、学生のうちに何をすべきか考える機会にするため、主体的に行動を」と呼びかけました。

 その後、グループ討論で各自研修の目標を設定し、2週間の研修を迎えました。

経営者と研修生が学びを語る

 修了式では、企業・大学、そして各社での2週間の研修を終えた学生が再び集いました。

 まず、研修先企業の経営者と研修生が報告。学生からは「一生懸命取り組むことで不安がなくなり、経験が人生の糧となった」「さまざまな職種の仕事ややりがいに触れたことが新鮮だった」などとそれぞれの学びが語られました。

 また受け入れ先企業の経営者からは「社会人において重要な『自主性』を伝えたく、1日1個、会社の改善提案を課題にした。客観的な自社の課題を改善することでよい会社につなげていく」「全社的に学生の受け入れをしたことで会社としても学びとなった」と語られました。

 その後、グループ討論ではそれぞれの2週間の経験や成長を振り返り、今後その学びを具体的にどう生かしていくかを考えました。

 修了式後には、企業と学校で「まとめ会議」も開催され、今年度の振り返りと次年度に向けての改善点などの意見交換が行われました。

「中小企業家しんぶん」 2019年 10月 15日号より