【中同協欧州視察】同友会の先進性と普遍性に確信 持続可能な社会をめざす欧州での取り組みに学ぶ

 中同協は、持続可能な社会をめざす欧州での取り組みを学ぶために、9月21日から29日まで、デンマーク、ベルギー、ドイツの3国を視察団(団長・広浜泰久中同協会長)14名が訪問しました。

 9月22日、コペンハーゲンからバスで2時間ほど移動した先のロラン島でヴィジュアル気候センターを見学。センターには、直径2メートルほどの地球儀があり、ここに気候や社会動向などの世界のさまざまなデータの動きを投影し、これらの地球環境や社会への影響について説明を受けました。

 23日には、デンマーク人権研究所、デンマーク工業連盟で懇談の後にブリュッセルに移動。24日は、在欧州日経ビジネス協議会のCSR委員会、ジェトロ・ブリュッセル事務所、欧州委員会の域内・産業・企業・中小企業総局を訪問。ブリュッセル2日目の25日は以前の視察でも訪問した欧州中小企業連盟と懇談しました。

 26日には、ドイツのフライブルクで中心市街地と近郊の住宅地を徒歩とトラムで移動しながらまちづくりについて説明を受けました。

 最終日は、フライブルクからバスでアウトバーンも使い1時間半ほど移動し、ジンゲン市にある再生エネルギー事業に取り組むソーラーコンプレックス社を訪問。市民の問題意識から発足した同社が大きく発展してきた経緯を、社会や政治の状況も含めて説明を受け、自然調和型で太陽熱を利用した地域への熱供給事業施設などを見学しました。

 視察団長を務めた広浜泰久・中同協会長は、今回の視察の主な成果として、第1に、同友会の先進性と普遍性にあらためて確信を持つとともに、中小企業団体として国内外で果たさなければならない役割が明確になったこと、第2に、「労使見解」(中小企業における労使関係の見解)への評価がいずれの訪問先でも高く、国際的な標準に照らして現代的課題などを見直すことでさらに内容が深まるとのアドバイスを受けたことなどを挙げています。

 今後、視察のまとめと報告書などの作成、第50回全研をはじめ報告の機会を時々の会合などで持つことにより、視察の成果を同友会運動の実践に取り入れていきます。

「中小企業家しんぶん」 2019年 10月 15日号より